現在、アメリカのインディカー・シリーズで活躍するフランス人ドライバーのセバスチャン・ブルデーがF1を批判した。
現在36歳となるブルデーだが、2004年から2007年まで4年連続で現在のインディカーの母体のひとつであるチャンプカーでタイトルを獲得。その実績を引っ提げて2008年からセバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)のチームメートとしてトロロッソでF1デビューを飾っていた。
だが、思うような成績を残せないまま、ブルデーは2009年のドイツGP終了後に解雇されてしまう。
2011年から再びアメリカのインディカーに参戦を始めたブルデーは、先週末にデトロイトのベルアイル市街地コースで開催されたレースで昨年のトロントに続く復帰後2勝目を挙げている。
「すごくいい気分だよ」
レース終盤に日本人元F1ドライバーである佐藤琢磨の追い上げを振り切ってトップチェッカーを受けたKVレーシング所属のブルデーは次のように付け加えた。
「F1では悲惨な経験をしたけれど、今はまた自分のレースを楽しむことができているよ」
さらにブルデーは、自分自身のF1での経験に関しても、そしてF1そのものについても、いいと思えるものはほとんどないと主張している。
「F1ではチーム(トロロッソ)と一緒に仕事を続けて行けるとか、そうしたいと思ったことはなかったね」
ブルデーは、『Detroit Free Press(デトロイト・フリー・プレス)』に対し、雨の中で行われた先週末のレースを振り返りながら「モンテカルロ市街地コースを含む、どんなF1サーキットよりもきつかったよ」と語り、次のように続けた。
「F1は、どのサーキットも面白くなくなったね。彼らはサーキットの特性を取り去ってしまったし、ありきたりで面白みのないものにしてしまった。気分が悪いよ。モナコも今ではいくつかのコーナーがある、できの悪い駐車場みたいなものさ」
そのブルデーは、スポーツとして見た場合、F1よりもインディカーのほうが上だと考えている。
「F1では誰もが間違った理由によって戦っている。金と地位がすべてなんだ。そんなものはレースには必要ないんだ」
「インディカーでは誰も(F1ほど)金を稼ぐことはできない。純粋なレースがそこにあるし、それが素晴らしいんだ」とブルデーは付け加えた。