NEXT...F1開催スケジュール

ロペスが犯した二つの過ち

2015年05月20日(水)6:10 am

ルクセンブルク出身の投資家でロータスを所有するジェラルド・ロペスは、ここ数年でいくつか後悔していることがある。

2015年F1開幕以来、鳴りを潜めた彼は、他の事業で極めて多忙な日々を過ごしていた。

昨年は、F1の収益が不当に分配されていると声を張り上げ、レースのボイコットさえチラつかせた。

そんなロペスは、スペイン『El Confidencial(コンフィデンシアル)』紙に次のように話す。「F1全般が抱える財政問題について、昨年の第17戦アメリカGPで真っ先に口を開いたのは私だ」

「あれほど皆が耳を貸すと分かっていたら、もっと早くに主張すべきだった」

先週木曜日、バーニー・エクレストンが英ビギン・ヒル空港に所有するビルでF1戦略グループの会合が行われた。これを受けて同グループのメンバーは、支出削減案の策定に迫られている。

ロペスのもうひとつの後悔、それは数年前に行なった過大な投資だ。当時キミ・ライコネン(元ロータス)は、勝ちに手が届きそうなところまで来ていた。

結果としてチームは肥大化。その反動で2014年は大不振を招いてしまった。

「誰にも野望はある。それに少々の負けず嫌いが加わったら、いや、私の場合「少々」どころか「多々」だが、プッシュせずにはいられない。己の敵は自分自身だったわけだ」とロペス。

「今後たとえ選手権で4位や5位になっても、1位を奪おうなんてギャンブルは二度と冒さないだろう。2年前の私のようにね」

チーム存続のために、ロペスは大々的なリストラを強いられた。従業員が削られた今、彼らは再建途上にある。同時に、メルセデスのエンジンを得たマシンは性能的に向上、改良に着手しつつある。

とはいえロペスは、F1の将来に懸念を禁じ得ない。

「何より、F1は素晴らしいスポーツだ」

「しかし、そこには危険性が潜んでいる。F1は何ものにも代えがたく、宇宙の中心のような存在と錯覚しがちだ。ところが実際は、F1とて外界の出来ごとに対応せずにはいられない」

「F1の技術はものすごいものがある。信じられないほど先進的だ」とロペス。

「ところが、そのような技術を持ちながら技術系企業の関与はごくわずかで、技術に投資しようとする者が少ないのはなぜだろう?世界でもっとも盛んに株が取引される10社のうち3社は、テクノロジーと無関係だ。残りの7社はF1と何の関わりもない」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック