ここまでのマクラーレン・ホンダの苦戦は誰の目にも明らかだが、現在最強のパワーユニットを持つメルセデスAMGでさえ、ホンダの改善ぶりには感心しているようだ。メルセデスAMGのマネジングディレクターであり、エンジン責任者でもあるアンディ・コーウェルは『BBC』に次のように語った。
「ホンダ恐るべし、という感じだよ。彼らの取り組み方や、投資、そしてその決意のほどを見ればね」
「私は、彼らのやり方は間違っていないと思う。彼らは中長期的に取り組んでいるんだ。今季だけを考えているわけではない。これは、おおやけの形で行われている研究開発だよ」
■問題はアロンソがどこまで辛抱できるか?
だが、F1のメディア関係者の中でも非常に影響力のある人物として知られるイギリス人ジャーナリストのナイジェル・ルーバックは、アロンソがマクラーレン・ホンダで成功できるようになるまで「辛抱」できるかどうかは分からないと『El Confidencial(コンフィデンシアル)』に次のように語った。
「私は、フェルナンドの忍耐にある程度かかってくるんじゃないかと思っているよ」
「彼はずっと、自分がここ(マクラーレン)に来たときから厳しくなるだろうことは分かっていたと言い続けてきた。それは事実だろう。だが、これまでフェラーリで5年間にわたって失望を味わってきた彼が、どれほど長くこうした状態を受け入れることができるだろうか?」
■アロンソも本当はつらいはず
「フェルナンド・アロンソがグリッド後方にいるのを見るのは、まるで冗談のようだ」
そう述べたルーバックは、次のように付け加えた。
「私は、彼がなぜ “僕はどこかほかのチームに行く必要がある”と言わなくてはならないところまで来たのかは理解ができる。だが、同時に、本来は自分が乗るはずだったクルマ(フェラーリ)が今年あれほど好調なのを見るのは、彼にとってはかなりつらいはずだよ」