ホンダでは、近いうちにF1エンジンのパフォーマンスを改善するために、「トークン」の利用を始めることになるようだ。
ホンダには今季、統括団体であるFIA(国際自動車連盟)によって、シーズン中に「パフォーマンス改善」のための開発に使用できる「トークン」(引換券)が9枚与えられている。
だが、ここまで、ホンダがパワーユニットに施してきた改良は、信頼性向上を目的とするものだった。つまり、ホンダではまだこれまでパフォーマンス改善を目的とした改良は行っておらず、「トークン」にはまだ手を付けていない。
ホンダのF1プロジェクト責任者である新井康久は、ホンダが具体的にいつトークンを使った開発を開始するかについて明言しようとはしなかった。だが、ホンダが今シーズンの終わりまでトークンを使わないで済ませることは考えにくい状況だ。
「それでは意味がないからね」
スペインの『Marca(マルカ)』にそう語った新井は、次のように続けた。
「(トークンを使うのは)それによって向上できるだろうと分かった時点になるだろう。テストの後ですぐに使うことになるだろうね」
新井が言うテストとは、今週12日(火)と13日(水)にバルセロナで行われたシーズン中テストのことであると見て間違いないだろう。
次回のシーズン中テストが行われるのは、F1オーストリアGP(6月21日決勝)の翌週となっており、まだ1か月半近く先のことだ。
さらに、新井は、ホンダが9枚のトークンを一度に全部使う可能性についても否定しなかった。
「それを検討しているところだ。だが、まだ決定はしていないよ」と新井は付け加えている。