マクラーレン・ホンダに成功が訪れるまでフェルナンド・アロンソは我慢が必要だ。
以上のように話すのは、マクラーレン・ホンダで1989年に3度目のF1世界選手権を制したアラン・プロスト。彼はその後、1993年にもウィリアムズ・ルノーでF1を制し、引退している。
そんな彼はスペイン『EFE通信』に、アロンソはただちに成功を期待しないほうがいいと次のように語った。
「新プロジェクトに新エンジンの組み合わせだからね」と60歳のプロスト。
「おそらく何戦もかかるだろう。場合によっては1シーズン丸ごとだ。いきなりやってきてメルセデスAMGやレッドブル、フェラーリのようなチームと渡り合えるわけがない」
「今のマクラーレンを見ると、まあこんなものだろうなと思う」
復調を果たしたフェラーリをわざわざ辞めて苦戦中のマクラーレンにやってきたアロンソは、きっと歯ぎしりしているに違いないと思う者もいるが、プロストは次のように話す。「それは彼(アロンソ)の決断だから。彼が取った選択なのだ」
「もちろんタイミングが合えばいうことなしだ。でも彼が満足なら、それでいいじゃないか」
ではマクラーレンがグリッド前方に戻ってくるまで、どれだけの時間が必要だろうか。プロストは答える。「それは分からないな。誰にもね」
「ただ、もしかしたら予想より早いかもしれない。もっとも、勝つのと世界チャンピオンになるのは別の話だ。その段階に至るまでは、さらに時間がかかるだろう」
現役選手にも話をきいてみよう。2010年からメルセデスAMGに在籍、F1を席巻しているニコ・ロズベルグだ。彼は、マクラーレン・ホンダが成功するまで何年もかかるとみている。
「僕らは常勝チームになるまで4年かかった」とスペインのスポーツ日刊紙『Marca(マルカ)』に話すロズベルグ。「レッドブルも4年を要した。(ミハエル)シューマッハがフェラーリでタイトルを取るまでは5年だ」
「今季(フェルナンド)アロンソが優勝を争うのはムリだね」。それがロズベルグの結論である。