メルセデスAMG会長のニキ・ラウダは、ルイス・ハミルトンとの2016年契約が最終段階で「足踏み」していることを認めた。
おりしもF1第5戦スペインGP開催中のバルセロナでは、ハミルトンが真剣にフェラーリ移籍を検討していると話題だ。
「別に含みはない。ただの遅れだ」とイギリス『Express(エクスプレス)』紙に語るラウダだが、「それ以上は何もいえない」と慎重である。ディフェンディングチャンピオンにして今季もF1世界選手権をリードしている超大物ドライバーが相手だけに、当然の姿勢だろう。
うわさによるとハミルトンは、単に契約金をつり上げようとしているだけでなく、フェラーリが2016年以降にトップ争いをする可能性を見据えて移籍の選択肢をキープしているのだ。
そんな憶測を知ってか知らずか、バーニー・エクレストンはバルセロナで次のように語り、火に油を注ぐのだった。「ルイスは来季、彼にふさわしいチームで走るだろう」
それはフェラーリかと質問されたエクレストンは、こう答えた。「彼(ハミルトン)はフェラーリ入りも歓迎だろう。しかしセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が気に入るかどうか」
ハミルトンをつなぎ止めるべき立場のトト・ヴォルフさえ、彼のフェラーリ移籍が可能性としてまだあると言外に認める。
「ルイスはロックスター級のドライバーだ。どのチームだって欲しがるだろう。だが私は(それでも)構わない」
しかしヴォルフはラウダと裏腹に、契約交渉で「何の遅れもない」と主張する。
「もろもろの条件は同意した。何せ(契約は)慎重に行わないと。そしてその通り、慎重に進めている」
交渉の遅れについてハミルトンは、バルセロナで次のように語った。「それはトト(ヴォルフ)に質問してほしいね」
「次戦のモナコまでに終わらせるとニキは話していたと思うが、まあ目標はそんなところかな」