今季のF1もいよいよ来週からはヨーロッパに戦いの場が移ることになる。
だが、今シーズン序盤にもっとも大きな話題となったのが、レッドブルからセバスチャン・ベッテルを迎えて復調してきたフェラーリの躍進ぶりだろう。
昨年はウィリアムズにもチーム別ランキングで後れをとったフェラーリだったが、今季は第2戦でベッテルが優勝を飾ったのを始め、これまでの4レースはすべてメルセデスAMGの2人のドライバーとともにフェラーリが表彰台に上っている。
ベッテルの活躍はもちろん、前戦バーレーンGPで2位表彰台をゲットしたキミ・ライコネンの今後の活躍にも目が離せなくなりそうだ。
だが、今季のフェラーリが大きく飛躍を遂げたことは間違いないものの、ベッテルやライコネンがメルセデスAMG勢を相手にタイトル争いにからんでいけるほどかどうかは疑問の残るところだ。
実際のところは、2014年のF1チャンピオンであり、現在非常に波に乗っているルイス・ハミルトンを苦しめることができるドライバーがいるとすれば、それはチームメートのニコ・ロズベルグだろう。だが、ロズベルグはここまでの4レースですべて表彰台に上ってはいるものの、優勝はまだ一度もない。ハミルトンとのポイント差もすでに27ポイントに開いている。
1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブは、そのロズベルグについて『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように語った。
「レースで優勝できれば、以前のような調子を取り戻すこともできるだろう。だから、ニコはすぐにレースで勝ち始めることが必要だよ」
だが、ウィリアムズのフェリペ・マッサは、今季はハミルトンが絶対的に優位な立場にあると考えている。
「昨年は、誰がチャンピオンになるのか、はっきりとは分からなかった」
ブラジルの『UOL Esporte(ウニヴェルソ・オンライン・エスポルチ)』にそう語ったマッサは、次のように続けた。
「だけど、今年はすべての面でハミルトンのほうがロズベルグに勝っている」
「ここまでに見られた彼ら同士の戦いは、ほとんどが心理戦だ。それを見ても、ロズベルグのほうがハミルトンよりも苦しんでいることは確かだ」とマッサは付け加えた。