まだ今季も4レースが終わったばかりだが、すでに来季に向けたドライバー移籍に関するうわさが熱を帯び始めている。
現時点でその中心にいるのは、ウィリアムズのバルテリ・ボッタスとフェラーリのキミ・ライコネン、そしてメルセデスAMGの控えドライバーであるパスカル・ヴェアラインといった顔ぶれだ。
イタリアでは、ボッタスがフェラーリに移籍するのではないかとのうわさがかなり根強くささやかれているようだ。
かつて2度F1王座についた元F1ドライバーのミカ・ハッキネンもボッタスのマネジメントチームの一員となっている。そのハッキネンは今週、もし自分がフェラーリ首脳陣の一角であれば、自分がキミ・ライコネンとの契約を更新するかどうかは分からないと語っていた。
ハッキネンはその一方で、バーレーンGP(第4戦)決勝で、セバスチャン・ベッテルの追い上げをかわして4位となったボッタスについて、「バルテリはうまくプレッシャーをコントロールできることを示していた」とし、『Hermes(エルメス)』に次のように付け加えている。
「あれはまさに、F1チャンピオンを目指して戦うドライバーにとって必要なずぶとい神経を持っていることを示したものだ」
メディア関係者の中には、すでにボッタスがフェラーリとの間に仮契約を済ませているかもしれないとさえ考えている者もいるようだ。
一方、ライコネンは今季いっぱいでフェラーリとの現在の契約が満了を迎えることになっている。バーレーンGPでは2位表彰台に上るなど調子を上げてきているライコネンは、現在の契約に盛り込まれている2016年の延長オプションを行使するようフェラーリに求めていると伝えられている。
だが、そのライコネンに関して、フェラーリでは来年F1参入を果たすアメリカのハースF1にライコネンを移籍させるという動きに出るかもしれないともうわさされている。ハースは、フェラーリの「Bチーム」という形でF1参入を目指していることはよく知られたところだ。
そして、仮にボッタスが抜けた場合、ウィリアムズでは代わりにヴェアラインを迎え入れるのではないかともささやかれている。
ウィリアムズにエンジンを供給するメルセデスのワークスチームで控えドライバーを務めるヴェアラインだが、まだハミルトンとの契約延長が正式に確定してはいないというものの、短期的にメルセデスAMGでシートを獲得するチャンスはないと考えられている。
メルセデスとしても、仮にボッタスの後任としてヴェアラインをレギュラードライバーとして迎えてくれるならば、ウィリアムズに対するエンジン代金を値引きするという条件を出す可能性もあるのではないかと言われている。そうなれば昨年5,000万ドル(約59億4,000万円)もの赤字を計上したウィリアムズにとっては魅力的な話となるかもしれない。