NEXT...F1開催スケジュール

昔のF1カーは「野獣」だったとF1競技委員

2015年04月30日(木)16:48 pm

現在のF1レギュレーションに対する批判的な見方がどんどん強まっているようだ。

現在、F1における意思決定機関となっているストラテジーグループの会合が5月に行われることになっており、そこでの最も重要な課題として、2017年シーズン以降に現在のレギュレーションを大きく見直すことが検討されることになっている。

2014年に新たにV6パワーユニットが導入されたが、これによって増大したコストを賄いきれず、ケータハムとマルシャがシーズン中に経営破たんに陥ってしまった。現在もほかの小規模チームたちも存続の危機にひんしていると言われる中、大規模チームにも新ルールへの対応に苦しめられているところもある。

何より、ファンやレース主催者側は、運転がもっと難しく、大きな音を発生するF1カーを望んでいるとされている。

元F1ドライバーであり、現在は統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の競技委員を務めるデレク・ワーウィックも、現在導入されているギアボックスやエンジンの年間仕様基数制限は、「テレビやサーキットで観戦している者たちにとってF1を面白くないものにしている」と主張している。

「多くのドライバーたちがフリー走行で10周程度の走行を行うだけだ。それは彼らが何かをいたわろうとしているためなんだ。エンジンやパワーユニット、あるいはギアボックスといったものをね」

『Sportal(スポータル)』にそう語ったワーウィックは、次のように続けた。

「こうしたルールは、少しばかり裏目に出ているよ。思想的には正しいものだろうが、F1をもっとワクワクするようなものに変え、F1ドライバーたちを剣闘士のように見せるためには何かを変える必要がある」

ワーウィックは、17歳のマックス・フェルスタッペン(トロロッソ)がほとんどフォーミュラカーの経験がないまま昇格してきてもすぐにポイント獲得ができるといったような状態を見れば、今のF1カーは「磨き上げられた宣伝マシン」のようなものにしか見えないと主張。

それに対して過去のF1カーは「野獣」だったとワーウィックは次のように続けた。

「1,600馬力ものパワーとダウンフォースがあったんだ。まさに目ん玉が飛び出るほどだったよ」

「(今日では)テストをやりながら10ラップほどしかしないのに、それでトップのドライバーからコンマ2秒以内に入ってしまうんだ。そういうことは私の時代には起こらなかったよ。だから、今のクルマはそれだけ運転しやすいということさ」

1980年代に活躍し、現在は60歳となるワーウィックは次のように締めくくった。

「一歩後退させることが必要だよ。取り返しのつかないところに行く前に、自分たちをよく見つめ直すことが必要だ」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック