フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)に関し、昨年限りでフェラーリを離脱し、マクラーレン・ホンダへ移籍したのは明らかに誤った判断だったと見る者が多い。だが、フェラーリのテストドライバーを務めるマルク・ジェネがアロンソの決断を支持するコメントを行ったと報じられている。
今季ホンダと組んだマクラーレンへ移籍したアロンソは、ここまでのところまだ一度も予選Q3へ進出することもできず、1ポイントも獲得できていない。一方、アロンソの後任としてセバスチャン・ベッテルを迎えたフェラーリは、今季はメルセデスAMGに次ぐ第二勢力としての地位を確保している。
ここまでの結果だけを見れば、アロンソが誤った決断をしてしまったと考える者がいるのも当然のことだろう。
だが、41歳となるスペイン人ドライバーのジェネは、必ずしもそうとは言えないと『Diario Sport(ディアリオ・スポルト)』に次のように語った。
「結果が変わったことが重要だというわけではないんだ。とりわけ、何年もの期間について考えているならばね」
「例えば、今の僕はあまり結果だけにこだわって判断をしようとは思わない。自分がどこにいたいかということで判断するんだ」
現在はフェラーリのテストドライバーを務めるかたわら、プジョーからWEC(世界耐久選手権)にも出走しているジェネは次のように続けた。
「彼の結果のレベルが正しいものなのか、間違ったものなのか、そして彼の個人的な満足度レベルがどうなのかということは時間がたたないと分からないよ」
「彼が、自分が所属しているチームに満足していると言っているのなら、それは彼が自分で望んだ決断をしていたということは間違いないよ」
そう語ったジェネは、さらに次のように続けた。
「2015年に起きていることだけを見るならば、最善の選択がフェラーリに残ることだったことは間違いないだろう」
「だけど、僕は彼がもっと中期的に考えてこういう判断を下したんだと思っているんだ。誰からも無理強いされたわけではなく、彼自身が慎重に考えて決めたことだからね」
だが、ジェネも、フェラーリが今季ここまで調子を上げたことに驚いたのはアロンソだけではないはずだと次のように続けた。
「僕は15年F1とかかわりを持っているけれど、レギュレーションに変更がないときに1年でこれほど大きく飛躍したのは見たことがないよ」
「もしこのまま改善し続けることができれば、まだタイトルを狙うチャンスだって間違いなくあるよ」
ジェネは、次のように締めくくった。
「シーズン開幕前には僕たちにはそんなことを目標に掲げてなどいなかったし、今も僕たちが最有力候補ではないことも分かっている。でも、少なくともチャレンジすることはできるほどに差を縮めてきているよ」