メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダが、今年キャンセルされたF1ドイツGPの主催者たちには何の同情も抱いていないと語った。
最近はニュルブルクリンクとホッケンハイムで交互開催されていたドイツGP。だが、本来であれば今年のドイツGPを開催するはずであったニュルブルクリンクは経営破たんに陥り、今季の開催契約を新たに結ぶことはできなかった。
F1最高責任者のバーニー・エクレストンはホッケンハイムとの交渉も行っていたがこちらも不調に終わり、今年は1960年以来初めてドイツ国内でF1レースが開催されないことになってしまった。
エクレストンは、バーレーンGPが開催された先週末のバーレーンで次のように語った。
「1年に限って、通常の半額の開催権料という条件を受け入れるつもりだった。それでも彼らは問題を解決できなかったんだ」
エクレストンはさらに、イタリアGPを開催する伝統あるサーキットのモンツァの主催者たちもこうした状況に陥る可能性があると付け加え、『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように続けた。
「不可欠なサーキットなどひとつもない」
「新たに組み入れられる素晴らしいレースだっていくつかある」
エクレストンに言わせれば、スパ・フランコルシャンで開催されているベルギーGPのように開催権料の支払いができているヨーロッパのグランプリもあるのだから、ドイツやイタリアでも同じことができるはずだというわけだ。
例えば、昨年オーストリアGPが復活したが、かつてA1リンクと呼ばれたサーキットを現在はレッドブルが買収し、レッドブルリンクと名称を変えてオーストリアでの新たなF1の歴史を刻み始めている。
そのオーストリア出身の元F1ドライバーであるゲルハルト・ベルガーは、今週ウイーンで次のように語った。
「アジアやその他の地域で、F1開催を実現するためにどれほどの努力をしたかということを考えれば、我々がここでレースを開催できるとは思っていなかったよ」
かつて3度F1王座に輝いた伝説的元F1ドライバーでもあるラウダは、現在はドイツのメルセデスのF1チームに所属している。だが、そのラウダさえ今年のF1レース開催にこぎつけなかったドイツの主催者たちに対して同情などしていないと次のように語った。
「彼らは(開催権料の)支払いに関してバーニー・エクレストンに対して不満を述べている。だが、責められるべきは彼ら自身だ」
オーストリア出身のラウダは、ドイツGPが中止となったことはオーストリアGP(6月21日決勝)にとってはいいことだと次のように付け加えた。
「ドイツでのレースがなくなったことにより、多くの人たちがその代わりにここ(オーストリア)に来るだろうね」