1997年のF1チャンピオンであるカナダのジャック・ビルヌーブが、今年マクラーレン・ホンダへと移籍したフェルナンド・アロンソは3度目のF1タイトル獲得のチャンスを逃してしまったかもしれないと語った。
ビルヌーブに言わせれば、アロンソは「フェラーリに移籍してすぐのころ」は、それまでのF1キャリアにおいても最高の走りを見せていたという。
だが、5年間在籍しながらも3度目のF1タイトルに手が届かなかったアロンソは、昨年ついにフェラーリに対してしびれを切らし、今年は新生マクラーレン・ホンダのコックピットに収まっている。
「フェラーリを去ったのは明らかに失敗だったよ」
ビルヌーブは、スペインの『AS』にそう語ると、次のように続けた。
「彼はフェラーリであと3年か4年過ごすこともできていたはずだし、それからリタイアするなりマクラーレンに行くなりできていたはずだ。マクラーレンで勝ちたいと思うのなら、かつて2007年にそうしたようにね」
アロンソ自身は、マクラーレン・ホンダへと移籍を決めた理由について、F1が新たに迎えたV6ターボ時代にメルセデスAMGに打ち勝つためには、自分がマクラーレン・ホンダとともに新たなプロジェクトを一から立ち上げていく必要があったのだと主張している。
アロンソはさらに、今季復活の兆しが見えているとはいえ、フェラーリが2015年のタイトルがとれるとは思えないとも語っていた。
だが、ビルヌーブは「アロンソだって今年のフェラーリでタイトル争いがしたかったと思っているはずだよ」とコメント。
そうした声に対し、アロンソは、フェラーリで成功に近い位置にとどまるよりも、ホンダとともに「リスク」を冒すことができることによろこびを感じると反論している。
だが、ビルヌーブはさらに容赦ないコメントを発している。
「今回の移籍により、アロンソのキャリアはこれで終わりを迎えることになるかもしれないよ。彼はもうF1タイトルはおろか、レースに優勝することさえできないかもしれない」
かつて2000年から2003年までホンダのワークスエンジンで走っていたこともあるビルヌーブだが、ホンダがすぐに上位争いに加わることは難しいだろうと見ている。ビルヌーブは、ホンダについて次のように語った。
「僕は彼ら(ホンダ)と仕事をしたことがあるから知っているんだけど、成長にすごく時間がかかり、何かをやろうとしてもそれができないような文化になりかねないよ」