昨年、メルセデスAMGに続く速さを誇っていたウィリアムズ。ところが2015年が開幕すると彼らはあっという間にフェラーリに先を越され、第4戦バーレーンGPを終えて、簡単に追いつける状況にない。
同チームのチーフ・エンジニア、ロブ・スメドレイはレース後、次のように語っている。
「序盤4戦を終えた段階で、すでに勢力図は固まった感がある」
「スペインGP(5/8-10)で一連の新パーツを投入するが、フェラーリに追いつくのは並大抵のことではないだろう」
フェリペ・マッサ(ウィリアムズ)は、ひしひしと実感している。大チームのフェラーリと、それより予算規模の小さいウィリアムズの差がはっきりしてきたことを。
「F1で3番目の速さに恥じることは、何もありません」とイギリス『Sky(スカイ)』に語るのは、チーム副代表のクレア・ウィリアムズだ。
マッサと同じように彼女も、活動資金の豊富なフェラーリに立ち向かうのは困難だと自覚している。
「私はつねづね、誰よりもひたむきに賢く、それがウィリアムズだと申し上げてきました」「私たちの予算規模は以前から、マクラーレンやフェラーリのようなチームと比較になりません。それでも彼らを相手に16回もF1選手権を制してきたのです」
「フェラーリなどは、元々ある資金に加え、私たちの年間予算にひってきする額を追加して開発につぎ込んでいると聞いています」
「そんな彼らをギャフンといわせたい、そう思います」といってほほ笑むウィリアムズ。「彼らの予算の3分の1でね」
スメドレイは、資金力のみならず技術力も並外れたフェラーリを倒すのは容易ではないと知っている。彼もマッサも以前、所属していたチームだからだ。
「われわれは既に、マシンから相当のポテンシャルを引き出している」「もちろん開発は続くが、それでスピードがグンと上がるとは思っていない」
「また、背後からはレッドブルのようなチームも迫っている。彼らもまた巨大な組織であり、素晴らしい設備を持ち、人的にも資金面でも豊富だ」
「彼らが抱える問題が解消したら、きっと今よりはるかにパフォーマンスは上がるだろう。総じてわれわれの主なライバルは皆、強力なのだ」