今季もまだ3レースが終わったばかりとはいえ、2010年から2013年までセバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)とともにF1王座4連覇を飾ったレッドブルが低迷状態に陥っている。
レッドブルに言わせれば、昨年よりも後退してしまったかのように見えるルノーエンジンのせいだということになるが、現時点においては同じルノーエンジンを使っているジュニアチームのトロロッソのほうが有望だとさえ見える状況だ。
先週末のF1中国GP(第3戦)では、やはりルノーのエンジンやギアボックスのトラブルによってポイント獲得こそ逃したトロロッソだが、チーム代表であるフランツ・トストは、レッドブル首脳陣のように公然とルノーに対する批判を行うようなことはない。
トストは『De Telegraaf(テレグラーフ)』に対し、次のように語った。
「公然と批判をするようなことは、我々の協力関係においていいことではないんだ」
「遅かれ早かれ、彼ら(ルノー)は解決策を考えつくと私は確信している」
ルノーエンジンのパフォーマンスと信頼性が安定してくれば、トロロッソの活躍にはさらに注目が集まることにもなりそうだ。
それはレッドブルが2015年シーズンにマックス・フェルスタッペンという才能ある若手を発掘してみせたことによるものだ。
今季トロロッソからF1デビューを飾ったフェルスタッペンは17歳という年齢ゆえに開幕前には批判的な意見が多く聞かれたのも事実だ。だが、実際にシーズンが始まるや、その才能を疑う者はもはやいないと言ってもよい状態だ。
そのフェルスタッペンは、先週末のF1中国GP(第3戦)ではレース終盤に開幕戦オーストラリアGPに続いて、ルノーのエンジントラブルによるリタイアを余儀なくされてしまった。
あとわずか数周で、またマレーシア(第2戦)に続いてポイント圏内フィニッシュを達成できるところまできていただけに、その悔しさも大きかったようだ。フェルスタッペンは人目につかないところでヘルメットを投げつけていたことを認めている。
だが、トストは、「技術的な問題が発生するのもF1というゲームの一部なんだ。こういう経験だって、マックスが学んでいく上で必要なプロセスなんだよ」と主張し、次のように続けた。
「それに、すべてのことに対するマックスの取り組み方はすごいと言わざるを得ないよ。彼はプロフェッショナルだし、ひたむきなんだ」
そのフェルスタッペンは、中国GP後に次のように語った。
「レッドブルも僕についてはかなり満足してくれていると思う。でも、エンジンには満足していないよ!」