フェラーリに復帰して2年目のキミ・ライコネン。開幕のスタートダッシュには失敗したが、彼のボス、マウリツィオ・アリバベーネはライコネンに好意的だ。
新チームメートのセバスチャン・ベッテルは序盤3戦すべてに3位以内でフィニッシュ、選手権2番手につけている。それに引き換えライコネンは24ポイントで5番手だ。
第1戦オーストラリアGPと第2戦マレーシアGPではトラブルに見舞われた。第3戦中国GPは予選でアタックに失敗。セッション終了後、技術主任ジェームス・アリソンは、どちらかといえば批判的な口調だった。
しかし、そんなときに自分で答えを出すのもライコネン。決勝では見ごとなスタートからベッテルに続く4位でチェッカーを受けた。
おまけにアリバベーネまで味方につけたのである。
「セブ(ベッテル)とキミ(ライコネン)の性格は180度異なる」とアリバベーネは上海のレース後、ドイツ『Speedweek(スピードウィーク)』に話す。
「ベッテルは精神的にとても強い。対するキミは、チームの支持が必要なタイプだ」
「彼が「アイスマン」と呼ばれるたびに、私は笑いを禁じ得ない。実はとても繊細な人間だからね」
「マレーシアでわれわれは、セバスチャンの優勝で子どものように浮かれたが、キミだって、その裏で素晴らしいレースを展開した。それも、ちゃんと評価してやらねばならない」
「私にとって、これ以上のドライバー・コンビは考えられないね」