ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)が、僚友ルイス・ハミルトンの金銭的価値に意見した。
2015年シーズン、走りに切れのないロズベルグに比べてF1チャンピオンのハミルトンは絶好調、第2戦マレーシアGPを終えて選手権をリードしている。
ところがコース外のハミルトンは決して順調といえない。マネージャーを保たない彼は、来季以降の契約交渉を含むビジネス面をすべて一人でカバーしなければならない。
あまりに話し合いが長引いているため、F1パドックでは、メルセデスAMGが残留を希望しているのをいいことにハミルトンは契約金を吊り上げすぎたのではとの声も聞かれるほどだ。
「彼は大金に見合う選手だと思う」とスペイン『El Mundo(ムンド)』紙に語るのは、ロズベルグだ。「だからって2億ドル(約240億円)は無いよね!」
ある報道によると、ハミルトンの要求は1億5,000万ドル(約180億円)だという。年5,000万ドル(約60億円)の3年契約だ。
あるジャーナリストが上海でハミルトンに質問をしたところ、とたんに彼は渋い表情になった。ほんとうに、チームの親会社ダイムラー・ベンツ会長ディーター・ツェッチェを含む全従業員よりも高額の金をもらうつもりかと聞かれたのだ。
「僕はその問いに何と答えればいいんだい」とハミルトン。
ついには交渉相手のトト・ヴォルフも、おおやけの場でハミルトンにプレッシャーをかけ始めた。英マスコミに向かって、交渉の長期化がチームに「不安感」をもたらしていると述べたのだ。
「あまりよくはないね」「不安要素があってはチームが落ち着かない」
いったいなぜ話はまとまらないのだろう。やはり金か?ヴォルフは次のようにいう。「ドライバーの価値は認めてやらないとね」。だとしても、最後のハードルは何なのか。ヴォルフによれば、新しい契約書に書かれた「細部」の詰めだそうだ。
「こうなったら徹底的に詰めるまでだ。それが私の仕事だから。交渉のテーブルについて「よし、あと5項目」といった具合にね」。そう、細部へのこだわりだ。
「価値は誰にでもある。それは尊重せねばならない。常に最良の妥協点を見出すことだよ。ギブアンドテイクさ」