風洞を「恐竜時代の技術」とこき下ろしたフォース・インディアに、ウィリアムズのパット・シモンズが怒っている。
ことの起こりは、F1から風洞を無くせといい出したレッドブルだ。
だがこの提案を支持するものはほとんどいなかった。わずかな例外がフォース・インディアの副代表ボブ・ファーンリーだ。第2戦マレーシアGPで彼は、F1の変革を次のように唱えたのである。
「F1がモータースポーツの最高峰というなら、限界に挑戦すべきだ。CFD(流体解析)やハイブリッドだよ」
「環境面でも(風洞は)誤ったメッセージを発信している。さらに、電気を大食いするのも問題だ」
風洞を「恐竜時代の技術」と決めつけたファーンリー。これに対してシモンズは10日(金)、ファーンリーの指摘を「じつにバカバカしい」と一喝した。
「われわれの風洞が恐竜とか、じょうだんじゃない」とシモンズ。
フォース・インディアは2015年、開幕に先がけて本拠地ブラックリーの風洞施設を閉鎖した。彼らのことばを借りれば、「老朽化」したうえ、いま主流の60パーセントモデルを使った実験ができないのだ。
同チームは現在、ドイツ・ケルンにあるトヨタの施設をレンタルしている。
シモンズは続ける。「確かに何年も使われている技術だが、だからといって絶滅したは虫類にたとえるとは」
「自動車だって昔からの乗り物だ。もしや自動車も滅びる運命の技術なのか?」
「ボブ(ファーンリー)には、ぜひ一級の風洞施設を見学し、先進技術を実感してもらいたいものだ」