10日(金)に行われたF1第3戦中国GPフリー走行で中団に食い込む走りを見せた、マクラーレン・ホンダ。
シーズンオフのテスト結果が散々だった反面、チームは努めて明るくふるまい、日英連合の共同作業は目に見えないだけで進歩していると強調を重ねてきた。
それがようやく中国GP初日ではっきりした形だ。
「タイム画面で(フェルナンド)アロンソの名前を探したところ、見つからないんだ」と話すのは、この日のプラクティスで16番手だったニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)。
「あっという間に僕らより速くなったことを知ったよ」と彼はドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌に語った。
順位だけを見れば、2回のフリー走行を終えてアロンソは12番手、チームメートのジェンソン・バトンは10番手だ。
Q1突破が現実味を帯びる中、セッション後のアロンソはスペイン『Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』紙に、次のようにコメントした。
「正しい方向に進んでいるようだ。中団グループに手が届きつつある」
「ここ中国であまり改善は期待していなかっただけに、喜びが倍加した感じだ」
「ただし予選はもっと難しくなると思う。みんな少しパワーを上げてくるからね。ところが僕らはまだ、そういった細工ができないんだ」
「でもQ2は目指したいよ」
明るい材料ばかりではない。問題はパワーユニットの信頼性だ。1シーズンにドライバーひとりが使えるエンジンは4台。今季参戦する10チーム20名中、アロンソとバトンの使用台数は突出している。11日(土)のフリー走行3回目では、開始早々にアロンソがマシンを止めた。
「ペナルティは避けられない」と彼も認める。「もはや仮定の話ではない。時間の問題だ。だがそれも学習の過程と受け止めている」
「何が起きても学ぼうとする姿勢が事態の打開につながるんじゃないかな。そうやって前進しようじゃないか」
予選は、このあと日本時間で午後4時に始まる。