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一気にメルセデスAMGのライバルに躍り出たフェラーリ

2015年04月07日(火)17:50 pm

2015年のF1は、どうやら「銀」対「赤」の戦いとなりそうな雰囲気だ。

2014年のF1チャンピオンチームであるメルセデスAMGは、フェラーリへ移籍してわずか2戦目のセバスチャン・ベッテルに第2戦マレーシアGPで優勝をさらわれたことに驚きを隠せなかった。

ビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、マレーシアでの敗戦はチームにとっての「ウェイクアップコール」だったとし、技術開発のスピードアップとともに、今後は戦略面についても再考が必要となるだろうとし、技術部門エグゼクティブディレクターのパディ・ロウも、「今年のF1タイトル争いはこれまでよりも厳しい戦いになるのは明らかだ」と語っていた。

一方、フェラーリではさらにメルセデスAMGに対してプレッシャーをかけていくと宣言している。テクニカルディレクターのジェームス・アリソンは、ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように語った。

「今後いくつか空力の改良パーツも導入することになっており、可能な限り早くそれをクルマに備え付けたいと思っている」

「空力に関するレギュレーションはまだ成熟には至っていないから、多くの可能性が秘められているよ」

フェラーリが2015年に大きくクルマを改善してきたことは明らかだが、最大の進歩を遂げたのはパワーユニットだと考えている者も多い。

ウィリアムズのパフォーマンスエンジニアリング責任者であるロブ・スメドレイは、スペインの『El Confidencial(エル・コンフィデンシアル)』に次のように語っている。

「2つのチームが最も大幅な改善を見せている。それは、フェラーリとザウバーだ」

昨年は1ポイントも取ることができなかったフェラーリエンジンを搭載するザウバーだが、今年は開幕戦で14ポイントを獲得。現時点でのチーム別ランキングではレッドブルを上回る5番手につけている。

だが、フェラーリが好調を示している理由に、アリソンと4回F1チャンピオンとなった実績を持つベッテルが果たしている役割が大きいと見る者も少なくない。

しかし、アリソン自身は、かつてフェラーリがミハエル・シューマッハとともに黄金時代を築いたときの技術責任者であるロス・ブラウンと自分とは比較にならないと『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に冗談を交えながら次のように語った。

「僕はF1タイトルを取ったことなど一度もないけど、ロスは、すでに何百万回も勝っているよ」

2010年から2013年まで圧倒的な強さで4年連続F1チャンピオンとなったベッテルだが、F1ドライバーとしての評価がそれにふさわしいほど高くはないのが現状かもしれない。それというのも、ベッテルがこれまで勝てていたのはレッドブルでいいクルマに恵まれていたからに過ぎないと考える者も少なくないからだ。

だが、ベッテルの元上司であるレッドブルのドライバー育成責任者ヘルムート・マルコは、ベッテルのマレーシアGPでの勝利は、そうした考えを持つ者たちに対する完ぺきな回答だったと主張している。

「昨年、セバスチャンはわれわれのクルマのあらゆる部分をうまく使うことができなかったに過ぎない。だが、フェラーリではそれらを再びうまく扱えている」

『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』にそう語ったマルコは、次のように付け加えた。

「彼(ベッテル)は決して運転の仕方を忘れてなどいないよ」

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