F1公式タイヤサプライヤーであるピレリのポール・ヘンベリー(F1プロジェクト責任者)が、2017年からF1に新たなルールが導入されることを望んでいるとコメントした。
ヘンベリーは、『Guardian(ガーディアン)』紙に対し、F1最高責任者であるバーニー・エクレストンがF1をもっと面白くするために行おうとしていることを支援すると主張。
さらに、今年F1がドライバーのヘルメットデザインの変更を禁止したことも評価できるとし、次のように語った。
「ドライバーは、デビッド・ベッカム(サッカー選手)のように国際的なスーパースターになる必要がある。だが今のドライバーたちはなぜレースごとにヘルメットを変えることが禁止されたのかを理解しようともせず、嘆いたり文句を言ったりするばかりだ」
F1マレーシアGP(第2戦)が開催されたセパンにおいて、エクレストンは、女性だけによるF1の立ち上げ、決勝のスターティンググリッドの決定方法見直し、決勝レース途中でスプリンクラーによる人為的ウエットコンディション化、さらにはダブルポイント制度の復活など、いくつかのルール変更案を示していた。
「金曜日の夜に予選をやるというアイデアはいいと思ったよ」とヘンベリー。
「そうすれば何かいいことだって起きるだろうし、主催者だってもっと物を売ることもできる。そして土曜日に短距離レースを行うことで、これまでにはなかったイベントも増える。土曜日に来たファンもその結果を楽しみ、表彰台だって見られるわけだからね」
「我々は、何を変えるべきだとか、どう変えるべきだということを言える立場にはない。だが、変化は必要だよ」
2017年以降の公式タイヤサプライヤー契約を結ぶための入札が今シーズン末に行われる予定になっているが、ヘンベリーはF1がさらに変わることを望んでいるという。
「我々は、また新たな契約を結ぶことになるかもしれない2017年にどうなるのかということが分からないことに不安を感じている」
「我々はエンターテインメントビジネスに携わっているんだ。中にはそういう考え方を批判する者もいるが、我々が観客を楽しませることができなければ、見る者などいなくなってしまう。そうなればスポンサーもついてこないし、悪循環が続いてしまうことになる」
「現在のビジネスモデルが十分に人々を魅了できていないことは明らかだよ。変化が求められている。だが、変更するための現在のメカニズムは非常に複雑だし、非常に時間がかかってしまうんだ」
そう語ったヘンベリーは、次のように結んだ。
「誰かが標識を立てて、こちらがその方向だと示す必要がある。我々は、大きな妥協を見いだすために堂々巡りしながらもう1年を過ごすわけにはいかないんだ」