レッドブルが、今シーズン抱えているトラブルはすべてルノーが供給しているV6パワーユニットのせいだと発言したことに対し、ルノーがさらに反論を展開した。
ルノーのF1エンジンプロジェクト責任者であるシリル・アビテブールは、24日(火)にレッドブルの最高技術責任者であるエイドリアン・ニューイが行った今季型車RB11の唯一の弱点がルノーエンジンだとの発言は「うそ」だと非難するコメントを行っていた。
もちろん、アビテブールとてルノーエンジンに問題がないと言っているわけではない。
「今年はそれだけで勝利できるようなエンジンとはできないだろう」
イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』にそう語ったアビテブールは、次のように続けた。
「エンジンに関してはもっと改善の余地がある。だが、それは一冬の間に達成できるようなものではないんだ」
だが、フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に対し、レッドブルが「うそつき」だと言い放ったアビテブールは、今週出した公式声明の中で、そうした姿勢をさらに鮮明に打ち出している。
レッドブルのニューイ、そしてチーム代表のクリスチャン・ホーナーやアドバイザーのヘルムート・マルコからも手厳しい批判を受けたルノー。だが、アビテブールは、そうした問題を解決するには「パワーユニットとシャシーの両面において」両者の「共働」が必要だと主張している。
アビテブールは、今週末のF1マレーシアGP(29日決勝)に向けた公式プレビューの中で、次のように語った。
「我々のデータによれば、メルボルン(オーストラリアGP)におけるレッドブルとメルセデスAMGのラップタイムの差は、ドライバビリティー、エンジンのパフォーマンス、そしてシャシーのパフォーマンスのいずれにも問題があったことを示している」
「これはすなわち、パッケージ全体に改善が必要だということであり、我々としてもチームとともに改善を目指して取り組んでいる」
元F1ドライバーであり、長くF1解説者を務めてきたジョン・ワトソンは、ルノーはレッドブルが行った中傷に対して断固として反論する権利があると『Guardian(ガーディアン)』に次のように述べている。
「ルノーは、レッドブルとともに達成してきた成功を継続させようと、技術的にもハードウエア的にも大金をつぎ込んでいる」
「もし私がルノーの人間なら、クリスチャン(ホーナー)が恩をあだで返したという怒りに満ちていただろうね。両者の関係は急速に崩壊しつつあるように見える」
「公然と相手を中傷することは、不適切なことだし、逆効果でしかないんだ」とワトソンは付け加えた。