冬季テストからピリッとしないマクラーレン・ホンダ。今や頼みは新車MP4-30の高いコーナリング性能だ。
2015年F1開幕戦オーストラリアGPの予選、ジェンソン・バトンとケビン・マグヌッセンのコンビはグリッド最後列に沈んだ。エンジン競争をリードするメルセデス勢との出力差は、150~200馬力といわれる。
これをマシン本体が補ってくれるかもしれないのだ。
「ドライバーたちは、口々にいいクルマだといっている」とスペイン『Marca(マルカ)』紙に話すのは、マクラーレンのレーシング・ディレクター、エリック・ブーリエ。「変なクセもなく、ドライバーに自信を与えてくれる」
パワーユニット、とりわけERS(エネルギー回生システム)の信頼性に不安を抱えるホンダは、シーズン開幕戦でエンジン出力を約60パーセントも抑えていたという。
「オーストラリアでは性能を低めに設定した」とブーリエも認める。「だが、ポテンシャルを発揮するのはこれからだ」
確かにホンダは、メルセデスAMGとのスピード差を埋めるには思い切ったアプローチが必要だとしてV6エンジンに攻撃的なデザインを施したとうわさされる。
バトンはいう。「僕が口にすることではないかもしれないが、設計、攻撃的な姿勢とパッケージングにおいて、他の2メーカー(ルノーとフェラーリ)よりはメルセデスに近いエンジンだと思う」
「ただ、少々時間が必要だ」
さらに24日(火)、マクラーレンにとって明るい材料が判明した。マクラーレンの2015年型シャシーは、間違いなく優れている。
F1公式サイトではグランプリが開かれる全サーキットのあらゆるコーナーで各ドライバーにかかる横Gを計測、平均値を割り出し、「コーナリングの格付け」を行なっている。
それによるとオーストラリアGPでバトンは全体の4位に付けたのだ。ちなみに1位と2位はメルセデスAMG勢。3位はフェリペ・マッサ(ウィリアムズ)だった。
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