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マックス・モズレーならF1を改革できていただろうとレッドブル

2015年03月24日(火)17:31 pm

2015年F1開幕戦オーストラリアGPを不本意な結果で終えたレッドブルは、現行のF1レギュレーションを声高に批判。今後すぐに修正が行われない場合にはF1からの撤退もあり得ると示唆している。

レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、ドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。

■F1の魅力復活にはルール変更が必要

「我々の調査によれば、テレビ視聴者は2014年には26パーセントも減少している」

「もしこのままの状態を続け、同じレギュレーションのままで行くのであれば、我々はスポーツとして、そしてビジネスの観点からも、F1の価値は何なのかということを自問しなくてはならないだろう」

マルコは、単にレッドブルの2015年のパフォーマンスが劣っていることを理由にしているのではなく、現在のF1カーが「簡単に運転できてしまう」とみなされていることも問題なのだと指摘している。

「これについては我々だけが問題視しているわけではない。どんなルーキードライバーでもすぐに競争力を発揮することができるのは簡単にクルマを限界のところまで走らせることができるからだ。それに、パワーに関してはGP2とほとんど同じだからね」

レッドブルでは、1,000馬力ものパワーを発揮できるターボとKERS(運動エネルギー回生システム)による標準パッケージ導入を提唱している。

■現状では現行ルール支持派が多数

だが、レッドブルと同じ意見を持つ仲間を見つけることができない限り、現行のF1ルールを即座に修正することはできない。そして、現状ではレッドブルの味方となりそうなチームは見当たらない。

ウィリアムズのチーフテクニカルオフィサーであるパット・シモンズは、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。

「新たなF1カーが必要だろうか?」

「まず、我々には継続可能であり、チームが生き残っていけるだけのルールを定める必要がある。私は、見た目を変えたり、1,000馬力のパワーを導入したりすることがF1にとって大いに役立つかどうかは確証が持てない」

そのウィリアムズにエンジンを供給するメルセデスのワークスチームももちろん同じ意見だ。

「個人的な意見だが、F1自体は劇的な変化など必要としていないと思う」

メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフはそう語ると、次のように付け加えた。

「そうは言っても、我々は柔軟な姿勢も持つべきだし、話し合いには加わって、F1を改善するために何ができるかということを考えていく必要もある」

■FIAの統率力不足を批判するレッドブル

だが、マルコは、現在圧倒的な優位を誇るメルセデスAMGが現行ルールを擁護するのは当然なことだとし、問題はF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)にあるのだと次のように続けた。

「誰もF1を見なくなって初めて、彼ら(メルセデスAMG)も自分たちの勝利の価値は何だったのだろうと自問することになるだろう」

「我々はF1においてこうした決断をくだせるリーダーシップを必要としているんだ」

そう述べたマルコは、次のように付け加えた。

「マックス・モズレーがFIA会長だったころのようにね」

マルコが言及したモズレーは、現在のFIA会長であるジャン・トッドの前任者として1993年から2009年までFIA会長を務めていた人物だ。安全面やコスト面での改善を強行に進めたが、そのワンマンぶりに対する反感も小さくはなかった。

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