マクラーレン・ホンダのエリック・ブーリエ(レーシングディレクター)が、2015年F1シーズンを非常に厳しいスタートを切ることになったにもかかわらず、シーズン終盤のレースでは優勝することも「可能」だと考えていると強気の発言を行った。
ちまたでは、多くのメディアが、23年ぶりに手を組んだマクラーレンとホンダが、本当にその実力を発揮できるようになるには「数年」かかるだろうと報じている。
ブーリエも、スペインの『El Pais(パイス)』に対し、現時点ではホンダのパワーユニットはライバルメーカーたちに対して数年遅れている状態だと認め、次のように語った。
「フェラーリ、ルノー、そしてメルセデスAMGがこのエンジンの導入を決めたとき、実際にそのテストを始める3年前から開発に着手していたんだ」
「ホンダが復帰を決めたのは2013年の5月のことだった。だから、まだ1年半しかたっていないんだよ。一方、マクラーレンではすべてをうまくまとめあげるための改革に着手してきた。その結果は前向きのものだが、もう少し時間が必要だ」
「短期間で準備しようというのは非常に野心的な試みだったんだ」
事実、開幕戦のオーストラリアGPでも、ホンダエンジンの信頼性にはまだ多くの課題が残されていた。そしてパフォーマンス的にも、予選では2台のマクラーレン・ホンダMP4-30が最後尾を占めるという結果に終わった。
うわさでは、ホンダのパワーユニットは最強メルセデスに対して200馬力以上劣っているのではないかと言われている。さらに、オーストラリアGPでは週末を乗り切るためにエネルギー回生システムをまったく作動させていなかったのではないかとも報じられている。
それでも、MP4-30が2015年シーズン中に優勝できるチャンスはあると思うかと尋ねられたブーリエは、次のように答えた。
「ああ、まだ可能性はあるよ。次の3レースや4レース、5レースでは起こりそうもないがね」
「だが、我々は競争力を手にすることができると強く信じている」とブーリエは結んだ。