フェラーリは昨年の不振から脱却したとF1関係者は見ている。
2015年F1開幕戦オーストラリアGPで、今年からフェラーリに移籍したセバスチャン・ベッテルが3位表彰台を獲得した。これは、チームにとって昨年4月の中国GP以来、約11か月ぶりの表彰台だった。
1-2フィニッシュを飾ったメルセデスAMGには30秒以上の大差をつけられたが、フェラーリが昨年苦しんだエンジンの面でメルセデスとの差を縮めたのは間違いないようだ。
その証拠に、フェラーリエンジンを使うザウバーは、ドライバーの契約をめぐる裁判が進行する中で迎えたグランプリにもかかわらず、見事に5位フィニッシュを飾った。
6位に終わったレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、資金難にあえぐザウバーが「昨年のウイング」をそのまま使っているとしながらも、「違いはエンジンだ」と見ている。
また、昨年後半にメルセデスAMGに次ぐ強さを見せたウィリアムズに対しても、オーストラリアGPではフェラーリが優勢だった。
「フェラーリはわれわれより速かった」とウィリアムズの最高技術責任者パット・シモンズも認めている。
元F1ドライバーのミカ・サロも、フェラーリがウィリアムズを一気に追い抜いたことに驚いたと話す。
「これは予想していなかった」とサロは開幕戦が行われたメルボルンでフィンランドのテレビ局『MTV3』に語った。
「ベッテルはマッサを倒すことができた。キミ(ライコネン/フェラーリ)のレースペースもマッサより速かった」
「だが、メルセデスAMGには大きく離されている」
ただ、ウィリアムズのバルテリ・ボッタスは、腰の負傷からオーストラリアGPの決勝を欠場していた。
サロは、「彼(ボッタス)がどれだけやれたか見られれば良かったんだが」と話している。
また、今回の勢力図は、必ずしも当てにはならないとサロは警告する。
「オーストラリアはいつも少し不思議なレースになる。マレーシアのほうがより“ノーマル”なコースだ」
本当の力関係が分かるのは、次のマレーシアGP(29日決勝)になるのかもしれない。