2015年F1開幕戦オーストラリアGPを終え、地元オーストラリアのヒーローであるダニエル・リカルド(レッドブル)が、母国でのF1レースのあり方に疑問を投げかけた。
今年のF1開幕戦では、近年まれにみるドタバタ劇が繰り広げられたと言っても過言ではないだろう。
ザウバーはメルボルンで法廷闘争を繰り広げ、フリー走行1回目にはその姿を現すことがなかった。さらに、決勝レースが始まる前に2台が壊れてしまうといった最近ではめずらしいハプニングもあり、出走台数は15台、完走はわずかに11台となってしまっていた。
決勝でも圧倒的な強さを示したメルセデスAMGが何台かを周回遅れとするために追い抜くのが目立ったくらいで、コース上でのバトルもそれほど多くはなかった。
「ファンにちょっと申し訳なく思うよ」と語ったリカルドは、次のように付け加えた。
「退屈なレースだった」
先頭を走るメルセデスの2台から34秒遅れでフィニッシュラインを越えた3位のセバスチャン・ベッテルも同じように感じていたようだ。
「確かに、見ている人たちにとっては面白くはなかっただろうね」
「(F1は)難しいんだ。複雑だしね。多分、少し複雑になり過ぎているんだと思うよ」
少し前に、かつてベッテルのボスのひとりであったレッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、シーズン全体が「味気ない」ものになりそうだと語っていた。
ベッテルも次のように続けた。
「次のレースでは少しましになるかもしれないよ。だけど、もっと悪くなる可能性だってある」
メルボルンで15日(日)に行われたオーストラリアGP決勝で2位となったニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)は、今年もメルセデスAMGがライバルたちとの大きな差をキープできていることが確認できたと認めている。
だが、ロズベルグはフェラーリがすぐに追いついてくることを期待しているとも語った。
これに対し、ベッテルは次のように冗談を交えて切り返した。
「本当? 君は僕たちより34秒前でフィニッシュしていたけど、これからはスピードを緩めてくれるのかな?」
だが、ロズベルグは、自分もリカルドやベッテルと同じようにF1をもっと楽しめるものにしたいと考えているのだと主張し、次のように続けた。
「君たちがもっとレースを難しいものにしてくれるのを期待しているんだよ。それがF1にとってもファンにとっても大事なことだからね」
「僕も多少はショーとしてのF1について考えているよ。家でテレビを見ているファンや、サーキットに来てくれた人たちによろこんでもらえるようにしたいからね」