ヨットレースの最高峰、アメリカズカップに一人の元F1関係者が携わることになった。おととしまでマクラーレンのチーム代表だったマーティン・ウィットマーシュだ。
ウィットマーシュは56歳のイギリス人。25年間マクラーレンで働いたが2014年シーズンを前に解雇。以来、おもて舞台から姿を消した。
「ずっと旅をしていた」とイギリス『Telegraph(テレグラフ)』紙に語るウィットマーシュ。
「いちどF1に関わると、それが人生のすべてになる。蝕まれるといってもいい。私も危うく、そうなりかけた」
「おかげで25年のあいだに、一生食べるに困らない生活を得たよ」
ところが『Telegraph(テレグラフ)』によるとウィットマーシュは、2017年の第35回アメリカズカップでイギリスのヨットマン、ベン・エインズリー率いるシンジケートのCEOとして運営を取り仕切ることになったのだ。
このプロジェクトには、すでにもう一人F1のビッグネームが関わっている。レッドブルの新部門アドバンストテクノロジーズから出向する超大物デザイナー、エイドリアン・ニューイだ。
「実のところベン(エインズリー)と数分、電話で話をしただけで関わりたくなってね。次の日の午前に私から折り返して、話を受けることにした」とウィットマーシュは12日(木)に語った。
ウィットマーシュは今後、レッドブルとの綱引きが仕事の一部になる。ニューイがF1とアメリカズカップ、二足のわらじを履いているからだ。
ウィットマーシュはいう。「もし私がクリスチャン(ホーナー)だったら、どんな手を使ってもエイドリアン(ニューイ)をF1の業務に100パーセント集中させるだろうね」
「しかし、発想あふれるエイドリアンのような人物には、それなりの器が必要だ。われわれなら彼にそれを提供できると思う」