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ザウバーの運命やいかに?

2015年03月12日(木)13:06 pm

メルボルン法廷での戦いを続けているザウバーだが、非常に厳しい情勢であるのは確かなようだ。

契約破棄の無効を訴えてオランダ人ドライバーのギド・ヴァン・デル・ガルデがメルボルンで起こした裁判は、その主張が認められ、ザウバーには今週末のF1開幕戦オーストラリアGP(15日決勝)に、ヴァン・デル・ガルデを出走させるよう命じる判決が下された。ザウバーではこれを不服として、即刻控訴している。

こうした状況を受け、ザウバーがこの混乱を乗り越えて、今後も生き残っていけるのかどうか不安視する者も多い。

ザウバーが拠点を構えるスイスのウェブサイト『20min.ch』は、「カルテンボーンさん、ありがとう。あなたは3年間でライフワークをぶち壊してくれました」と、ザウバーの女性チーム代表モニシャ・カルテンボーンへの皮肉をこめたコメントを掲載している。

メディアの中には、ファッションブランド大手のマックレガーを経営する義理の父親マルセル・ボークホーンの支援を受けるヴァン・デル・ガルデは、ザウバーを破たんに追い込むために長期戦に持ち込むつもりかもしれないとの憶測を展開しているものもある。

「彼(ヴァン・デル・ガルデ)は本当にドライブすることを望んでいるのだろうか、という疑問がある」

そう語るのは、フィンランドのテレビ局『MTV3』で解説者を務めるオスカリ・サーリだ。

「ザウバーでは、彼を必要としないことを明確にしているのだからね」とサーリは付け加えた。

さらに、ヴァン・デル・ガルデがザウバーとの間に結んでいた契約には、財政難に苦しむザウバーの株式を取得することも含まれていたのではないかとのうわさも呼んでいる。

そのザウバーが緊急に解決しなくてはならない問題は、13日(金)に始まる2015年のF1開幕戦オーストラリアGP(15日決勝)に向け、現在有効な契約を持つ3人のドライバーがいるという事態だ。

その1人であるマーカス・エリクソンのマネジャーを務めるエヤァ・エリュは、スウェーデンのテレビ局『Viasat(ビアサット)』に対し「マーカスはいつも通りにレースに備えている」と語り、次のように続けた。

「これは、ザウバーとヴァン・デル・ガルデの間の問題だ。最終的にどういう判断が下され、どういう結果になるのかは様子を見るしかない」

「それまで、我々にできることはそれほどないよ」

ひとつの可能性としてうわさされているのは、もし最終的にメルボルンで警察が介入してヴァン・デル・ガルデをザウバーのコックピットに誘導して座らせるというような事態に発展するようなことがあれば、今度はエリクソンやチームメートであるフェリペ・ナスル側がザウバーに対して訴訟を起こすだろうということだ。

あるいは、エリクソン側とナスル側が結託し、ヴァン・デル・ガルデの契約を買い上げるのではないかとの憶測もささやかれている。

いずれにせよ、ザウバーがメルボルンの法廷で行った、この段階でヴァン・デル・ガルデにドライブさせることは安全上のリスクを抱えることになるとの主張に関しては、あまり賢いやり方ではなかったと考える者も多い。

サーリもこれに関し、次のように語った。

「それは本当にまずい主張だった」

「ヴァン・デル・ガルデはプロのドライバーだ。クルマの調整は困難かもしれないが、不可能なことではないんだ」

オランダ出身の元F1ドライバーであるヤン・ラマースも同意見だ。ラマースはオランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』に次のように語った。

「ギドは確かに腕がなまっているだろう。だが、ザウバーが主張した危険性ということに関しては誤った主張だ」

「ザウバーは壁にぶつかってしまったね」とラマースは付け加えた。

オーストラリアのビクトリア高等裁判所が、ザウバーの控訴に対する結果を発表するのは12日(木)の現地時間16時30分(日本時間14時30分)の予定となっている。それは、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が定めたレース出走ドライバーの最終通達期限後ということになる。

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