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【マクラーレン・ホンダ】馬力もドライバビリティーもよし。あとは信頼性

2015年03月10日(火)16:46 pm

23年ぶりに復活したマクラーレン・ホンダだが、ここまでのところは厳しいスタートを迎えている。

2月にのべ12日間にわたって行われた公式シーズン前テストでは、信頼性の問題に悩まされ、真の実力をかいま見せる余裕もなかった。加えて、テスト中に発生したクラッシュにより、フェルナンド・アロンソは今週末の開幕戦オーストラリアGP(15日決勝)への欠場を余儀なくされている。

レーシングディレクターのエリック・ブーリエは、マクラーレン・ホンダMP4-30の「パッケージは現在の印象よりは優れている」と強気の発言を行っているものの、現在の状況を見る限り、その言葉を素直に信じる者はそう多くはないようだ。

■ホンダがここまで苦しむのは不可解だとクルサード

かつてマクラーレンでも活躍した元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、小さなトラブルが起こるであろうことは想像できていたものの、マクラーレンとホンダには2015年シーズンに向けていいクルマを仕上げるだけの時間は十分にあったはずだと考えている。

「こうした状況や、彼らがこれほど困難を抱えていることには理解ができないよ」

「彼らにはエンジンを開発するために1年余計に時間があったんだからね」

クルサードに言わせれば、2014年シーズン開幕時にはフェラーリやルノーも同じようなトラブルを抱えていたものの、ホンダはその影で「学び、開発する」ための時間が取れていたはずだというわけだ。

クルサードは、『Guardian(ガーディアン)』に次のように続けた。

「だから、本当に奇妙だよ。なんだかマクラーレンらしくないことが起こり続けている。だが、近年、彼らにはかなり悪い時期が続いていたけれどね」

■マクラーレンの運営状況にも不安要素?

クルサードは、今マクラーレンが抱えている問題に関し、それを生んだ原因のひとつに最高権威であるロン・デニスのかかわり方があるのではないかと考えている。デニスはマクラーレンF1チームを再び常勝チームに返り咲かせようとする一方で、マクラーレン・グループをさらに成長させ、市販車の製造販売にも積極的に取り組もうとしている。

「2つのことに100パーセントの力を注げる者など誰もいないよ。それは物理的に不可能なんだ」

さらに、クルサードはマクラーレンの財政面にも懸念を持っている。

「クルマのどこにスポンサーの名前がある? これでは、新鮮な空気の中でこういうことを続けていくことはできないだろう」

■ドライバーたちはMP4-30を評価

だが、アロンソのマネジメントに長年かかわってきた元F1チーム代表のフラビオ・ブリアトーレは、アロンソはマクラーレン・ホンダが抱える現在の問題に関して全く心配などしていないと主張している。

ブリアトーレは、イタリアの『Sky Sports 24(スカイ・スポーツ24)』に、「フェルナンドは自信たっぷりだよ。彼は、クルマがうまく機能していたときにはよかったと言っている」と述べ、次のように付け加えた。

「日本人たち(ホンダ)は、人的にも財政的にも、すべての資源を投入してエンジンを競争力のあるものにするだろう。それにマクラーレンのシャシーには間違いなく競争力があるよ」

2010年からマクラーレンのドライバーを務めるジェンソン・バトンも、MP4-30には非常にいい印象を持っているようだ。バトンはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、「これまで僕たちがたどってきた道は、マクラーレンを再び勝てるチームへと導くものだ」と語っている。

■優れた資質はある。問題は信頼性

バトンはさらに、ホンダが用意したワークスエンジンに関して「ドライバビリティーは素晴らしい」と称賛している。だが、テストにおいては、「フルパワーを使おうとするたびにオイル漏れやシールの問題が起こっていた」ことも事実だ。

しかし、マクラーレンのあるスタッフは次のように語った。

「ホンダが約束していた馬力は確かに出ているよ」

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