いよいよ今年のF1開幕戦オーストラリアGP(15日決勝)が今週の金曜日(13日)に開幕を迎えるが、今年も昨年の覇者であるメルセデスAMGの優性を占う声が大きい。
だが、昨年まで不振に陥っていたフェラーリも新たなシーズンに向けて大きな飛躍を遂げたと考えられている。そのフェラーリでは新たに4度F1チャンピオンとなったセバスチャン・ベッテルを迎えたことも明るい材料となっているようだ。
F1最高責任者であるバーニー・エクレストンは、かつて1990年代序盤に、現在はFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)会長職にあるジャン・トッドにフェラーリに加入するよう説得したことがあったという。
そのエクレストンは、その当時と現在の状況がよく似ていると思うと、次のように語った。
■シューマッハの存在が大きかったかつてのフェラーリ
「私がジャン・トッドにフェラーリへ行くよう説得していたとき、チームは今日と同じような状況を抱えていたよ。彼らはまさしくイタリアのチームだった。今と同じようにね」
「トッドが加入し、新たな視点ですべてを行った。だが、それにはミハエル(シューマッハ)によるサポートも大きかったんだ」
「ミハエルがいつか私に、彼(シューマッハ)はずっとフェラーリのチームマネジャーでもあったと教えてくれたことがあるから、そのことを知っているんだ」
7度F1チャンピオンに輝いたシューマッハだが、そのうち5回をフェラーリ時代に達成している。そのシューマッハのフェラーリでの地位は、単なるドライバー以上のものとなっていたようだ。
エクレストンはさらに続けた。
「セバスチャンが、かつてトッドやシューマッハが行ったのと同じようなことができるのを期待している。だが、彼がそういう立場になるとは思っていないよ」
「しかし、マルキオンネ氏(フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネ)は、再びチームがかつての勢いを取り戻すことができると信じている」
「彼が正しいことを祈るよ。フェラーリのためにも、セバスチャンのためにも、そしてF1のためにもね」
■今では納得、ベッテルのフェラーリ移籍
ベッテルと親しいことでも知られるエクレストンだが、昨シーズンの終盤にベッテルがレッドブルを離脱するという決断をしたときにはがっかりしたことを認めている。
「あまりにも簡単にあきらめてしまったように思ったんだ」とエクレストンは続けた。
「セバスチャンにとってはつらい時期だった。だが、昨年はレッドブルにとっても困難な年だった。私は彼がチーム全体に対して失望したのだと思う」
「彼らが別れたことは無理もない話だよ」とエクレストンは付け加えた。