ルノーのF1エンジン部門でオペレーションズディレクターを務めるレミ・タフィンが、ルノーがF1最高のエンジンに返り咲くのはまだ先のことだと認めた。
それまでの自然吸気V8エンジンに変わって、まったく新しいV6ターボによるパワーユニットがF1に導入された2014年には、ルノーはまさに今年のホンダと同じような苦しみを味わっていた。
だが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が定めたエンジン開発凍結ルールに抜け穴が見つかったことにより、2015年は最大32枚の「トークン」(開発引換券)を用いてシーズンを通じてエンジン開発を継続することができる。
だが、ルノーからワークスエンジンの供給を受けるレッドブルのエイドリアン・ニューイ(最高技術責任者)やクリスチャン・ホーナー(チーム代表)は、今年もすぐにルノーがメルセデスに追いつくことはできないだろうとコメントしていた。
そして、ルノーのタフィンでさえ、同じように考えている。
タフィンは、ロシアの『f1news.ru』に次のように語った。
「最も難しいのは、エンジンの運用モードだ。新しいパワーユニットは、昨年のものよりもさらに設定が難しくなっている」
「だが、パワーに関しては、2014年と比べれば我々も進歩を遂げることができたよ」
だが、ライバルであるメルセデスや、今年は大きく改善されたことが明らかなフェラーリとの比較において、ルノーがどれほどの進歩を果たすことができたのかということが本当に重要なこととなる。
「それはまだ分からないね」とタフィン。
「パワーユニットの性能が5パーセント、あるいは10パーセント向上したと言うことはできない」
「正直に言って、我々はパフォーマンスや信頼性において、まだ後れを取っている。だが、ルノーはかつて、最強のエンジンを持っていなかったときにF1タイトルを取ったこともある」
いずれにせよ、タフィンもメルセデスAMGが最強のチームだろうと考えている。
「昨年、彼らがほかのチームに対して1秒の差をつけていたことを忘れないで欲しい」
「彼らがほかのチームより上にいるのは間違いないだろうが、本当にそうなるかどうかは分からない。昨年に比べれば、多少なりとも様相が変わってくると考えているよ」
そう述べたタフィンは、次のように付け加えた。
「メルセデスAMGが先頭で、それをウィリアムズ、フェラーリ、そしてレッドブルが追うことになるだろう。メルボルン(開幕戦オーストラリアGP/3月15日決勝)の結果により、その見方が正しかったかどうか分かるはずだ」