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【マクラーレン・ホンダ】シーズン中のエンジン開発はライバルメーカーの動向次第

2015年03月02日(月)16:54 pm

今年からマクラーレンと再び手を組んでエンジンサプライヤーとしてF1復帰を果たすホンダだが、シーズン開幕前に3回にわたって行われた公式テストでは厳しいスタートを強いられることになった。

今年は2月1日(日)のヘレスに始まり、その後バルセロナで2回にわたって合計12日間のテストが行われた。だが、マクラーレン・ホンダの2015年型車MP4-30は、メルセデスAMGを代表とする現在のF1トップチームたちに比べるとそのテスト期間を通じてほんのわずかな走行しかできていない。

そして、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が定めるエンジンルールにより、厳密には2月28日(土)に今季用エンジンのホモロゲーション(認証)期限を迎えたホンダでは、以後のエンジン開発に制約が生じることになる。

開幕前のテストではさまざまなトラブルに見舞われたものの、マクラーレン・ホンダでは強気の姿勢を崩していない。ホンダのF1プロジェクト責任者である新井康久は、ホンダの2015年仕様パワーユニットは基本的には「優秀だ」と次のように語った。

「我々は多くの問題を解決できたし、完全に認証を受けることができた」

だが、ホンダにとって、今後のキーワードとなるのが「トークン」だろう。

2014年から現行型パワーユニットを供給しているメルセデス、ルノー、フェラーリの各エンジンメーカーは、フェラーリがルールの抜け穴を見つけ出したことにより、2015年シーズンを通じて32枚のトークン(開発引換券のようなもの)の範囲でパフォーマンス向上につながる開発を行うことができることになっている。

そして、各メーカーが開幕戦のオーストラリアGP(3月15日決勝)の時点で、どれほどのトークンを手元に残しているかによってホンダの今後のエンジン開発にも大きな影響が出ることになる。

というのも、FIAが、各メーカーが開幕戦の時点で残したトークンの平均数を基準としてホンダにも2015年シーズン中の開発を認めるという方針を打ち出しているからだ。つまり、仮にだが、メルセデスが15枚、フェラーリが8枚、ルノーが7枚のトークンを未使用のまま残していたとすれば、ホンダにはその平均である10枚のトークンを使ってシーズン中に開発を進めることが認められることになる。

「何枚のトークンを使えるようになるのかは分からない。ほかのメーカーたちが何枚使ったのか、まだ分からないからね」と新井も認めている。

内部関係者の話によれば、メルセデスはかなりの数のトークンを残したままでメルボルンに向かうことになるだろうという。

ルノーのF1エンジン部門でオペレーションズディレクターを務めるレミ・タフィンは、バルセロナで次のようなコメントを行った。

「おそらく、メルセデスとフェラーリは似たようなアプローチをとってくるだろう」

「彼らがこの2か月の間にほとんどのトークンを使い果たしたとは想像できないからね」

ホンダとしては、ライバルメーカーたちが少しでも多くのトークンを残しておいてくれることを期待しながら、メルボルンでの開幕戦を迎えることになる。

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