マクラーレンのエリック・ブーリエ(レーシングディレクター)は、2週間後にメルボルンで行われる2015年のF1開幕戦オーストラリアGP(3月15日決勝)には、必ずフェルナンド・アロンソが復帰してくるという自信を持っているようだ。
2月22日(日)にテスト走行中にクラッシュを喫したアロンソは、その後4日にわたる入院を経て、現在は自宅で静養している。
■すぐにアロンソの開幕戦出走許可が出るはずだとブーリエ
急きょ、そのアロンソに代わって開幕前最後のテストを担当することになったのがリザーブドライバーのケビン・マグヌッセンだ。マグヌッセンは2月28日(土)に初めてマクラーレン・ホンダMP4-30のステアリングを握り、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットでのテストに臨んだ。だが、そこでもまたトラブルが発生し、マグヌッセンは39周しか走行できずに終わっている。
そのマグヌッセンは、仮にアロンソが開幕戦を欠場することになった場合、その代役を務める準備が整えられるかと尋ねられると、次のように答えた。
「難しいものになりそうだね。僕はこれまでチームのエンジニアたちとF1カーについて毎日話し合いをしてきたわけじゃないからね」
マクラーレンとしては、ホンダと再び手を組んで新たな時代を築きあげるために、フェラーリから現在最高のF1ドライバーと言われるアロンソを引き抜いていた。仮に、開幕戦にそのアロンソの姿がないということになれば、チームにとっても大きな打撃となることは間違いない。
アロンソが開幕戦に出走できるかどうか、いつごろになれば分かるのかと尋ねられたブーリエは、「もうすぐだよ」と答え、次のように付け加えた。
「医師たちから大丈夫だとのお墨付きをもらえさえすればね。来週にははっきりすると思うよ。私が決める立場ではないが、(アロンソに)何も悪いところはないからね」
■アロンソは復帰をあせる必要はないとマッサ
だが、2013年までアロンソのチームメートを務めていたブラジル人ドライバーのフェリペ・マッサ(ウィリアムズ)は、アロンソは復帰をあせるべきではないと主張している。
マッサは2009年のハンガリーGPで、予選中に前を走行していたF1カーからはずれたスプリングがヘルメットを直撃するという事故にあり、頭がい骨にひびが入る大けがを負って、そのシーズンの残りのレース出走を断念した経験を持っている。
マッサはテストが行われているバルセロナで、スペインの『Marca(マルカ)』に次のように語った。
「結局のところ、一番大事なことは、彼(アロンソ)がシーズン開幕時にここにいるかどうかではなくて、彼が大丈夫かどうかということなんだ」
「僕は彼にメッセージを書いたし、彼のマネジャーとも話をした。彼が気にかけていたのはアロンソの健康問題についてだったよ」
■FIAが否定しようのない証拠があることを認めるはず
そのアロンソの、一見不可解に見える事故については、いまだにさまざまな憶測がメディアに取り上げられている。だが、マクラーレンではすでにF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)にその調査を委ねている。
「自分の経験から、たとえ何をしようが、何を言おうが、常にそれに疑問を投げかけたり、ひどい場合には勝手に作り上げた話を持ち出したりする者たちがいるということは分かっているよ」
フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』にそう述べたブーリエは、次のように付け加えた。
「だが、データもあるし、否定しようのない証拠があるんだ。それについて今FIAが調査を進めている」