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ルノー、単独チームでのF1復帰を否定せず

2015年02月26日(木)17:26 pm

現在はF1公式エンジンサプライヤーとして活動しているルノーが、今後F1への取り組み方を変えていく可能性を否定しなかった。

2010年から2013年まで、セバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)を擁してF1王座の4連覇を達成したレッドブル・ルノーだが、新たなレギュレーションが導入された2014年にはルノーがライバルであるメルセデスに大きく後れをとってしまった。

2015年シーズンに向けてV6パワーユニットを改善してきているルノーだが、いまだにワークスエンジン供給先であるレッドブルとのあいだには不協和音が響いているともうわさされている。

■この2年で3チームの顧客を失ったルノー

2014年にはルノーの顧客チームであったウィリアムズがメルセデスへ移行。そして今年はロータスもそれに続いた。さらにケータハムも昨年経営破たんに陥って姿を消したことから、2年前までに比べるとルノーは一気に3つの顧客チームを失っている。今年ルノーエンジンを搭載するのは、レッドブルとそのジュニアチームのトロロッソの2チームだけという状況だ。

そうした中、最近出てきたうわさが、ルノーが再び自らのチームでF1への参戦を検討しているようだというものだ。かつて1977年にF1へチームを送り込んだルノーは、その後いったん活動を中断したものの、2002年に再びワークスチームでの参入を開始し2011年まで参戦を続けていた。

だが、ルノーのF1プロジェクト責任者であるシリル・アビテブールは、ルノーとレッドブルの関係が悪化し、離別の方向へと向かっているのではないかとのうわさを否定し、次のように語った。

「我々のレッドブルとのパートナーシップはより強化されてきているし、正しい方向性で進められている。だから、全体的な状況は先行き明るいものとなっているよ」

だが、その一方で、ルノーがトロロッソのような中堅チームを買収し、F1に自らのワークスチームを送り込むことを検討しているようだと報じられたことに関し、アビテブールは明確な否定を行わなかった。

■現在の状況ではルノーにとってのメリットがない

「我々は市場開拓のためにF1をやっているんだ」とスペインの『El Confidencial(エル・コンフィデンシアル)』に語ったアビテブールは、次のように続けた。

「だから、市場開拓を進めるという観点で見たときに、何か違うやり方をとったほうがよいということになれば、そうする可能性もあるだろう」

「これはごう慢な言い方をしているわけじゃない。我々が優先すべきなのは市場開拓につながるメッセージを発信することだし、そのためにF1でも最も効率的にコストを使ってこれを実現したいと思っているんだ」

アビテブールはさらに続けた。

「2014年は、我々にとってはものすごく高くついてしまった。我々は4チームの顧客を抱えていた。ロータスのようないいチームがいたし、同じオーナーのもとにレッドブルによって運営される2つのチームがあった」

だが、先ほども書いたように、もうひとつのチームであったケータハムも消えてしまい、残ったのは世界的エナジー飲料メーカーのレッドブルが所有する2チームだけだ。そのうちレッドブルにはワークスエンジンを無償で提供している。

「つまり、今は実質的にはひとつの顧客チームがあるだけだ。だが、状況は完全にレッドブル次第なんだ」とアビテブール。

「ルノーとしてこのままやり続けていけるだろうか? それが問題なんだよ」

そう語ったアビテブールは、「私はイエスと言っているわけじゃないし、ノーと言っているわけでもないんだ」と付け加え、今後の動きに含みを持たせた。

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