2014年に導入した新ルールによって、F1からは従来の面白みが奪われ、ファン離れが加速していると言われている。
これを受け、F1最高権威であるバーニー・エクレストンが中心となって、1,000馬力ものエンジンを搭載し、見た目にももっとファンの心をつかむようなものへと早急に改革すべきだとの動きが出ている。
だが、今月ジュネーブで行われたF1委員会では、2016年には現行ルールを大幅に変更しないことが決定されていた。そして、フェラーリの新会長であるセルジオ・マルキオンネがその判断は正しいものだとの主張を行った。
フェラーリは、現在のF1の改革を望んでおり、早急に変化を取り入れるべきだと主張していることで知られている。今月17日(火)にスイスのジュネーブで行われたF1委員会の会合では、非常に未来的なF1カーのコンセプト画像を提示していたほどだ。
だが、フィアット・クライスラーの最高経営責任者でもあるマルキオンネは、今年2回目のF1公式シーズン前テストが行われた先週のバルセロナで、イタリアの記者たちに「2015年において、2016年に向けてできることと2017年に向けてできることを混同してはならないよ」と述べ、次のように続けた
「2016年から変えてしまうということになれば、我々もそうだし、メルセデスAMGの首脳陣にとっても、大きな問題を抱えてしまうことになる」
「だから、我々としては幅広タイヤを装着し、もっとパワーのあるエンジンを導入することに関しては2017年に向けて取り組もうという判断をしたんだ」
「そうすれば、現在のレギュレーションも来年まで有効だということになる。一からルールを変えることも大きな問題を生むことになるからね」
マルキオンネは、2017年まで大規模な改革を行わないことを決めたものの、そのための準備はすでに始めていかなくてはならないと次のように続けた。
「我々もぐずぐずしてはいられないよ。(F1カーは)サーキットを走る弾丸だし、それを一夜にして発明することなどできないからね」
「書類上だけでルールを変えるのは簡単だ。だが、実際にサーキット上で機能するクルマを造らなくてはならないんだ」
最後に、今年のフェラーリF1カーであるSF15-Tのボディーにアルファロメオのマークをあしらったことについての質問を受けたマルキオンネは次のように答えている。
「私はフェラーリ博物館へ行ったんだが、あそこへ行けばフェラーリとアルファロメオに非常に密接な歴史があることが分かるよ」
将来的に、アルファロメオとF1のつながりが強くなる可能性があるのかと尋ねられたマルキオンネは、次のように付け加えた。
「そうなるかもしれない。それは誰にも分からないよ。不可能なことなどないからね」