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功を奏した? マルキオンネのフェラーリ改革

2015年02月25日(水)12:09 pm

ここまでのところ、フェラーリの新会長であるセルジオ・マルキオンネによるチーム改革は計画通り順調に推移しているようだ。

それまでの自然吸気V8エンジンに変わり、V6ターボエンジンによる新たな時代を迎えた2014年だったが、フェラーリはそのスタートに大きくつまずいた。これを受け、フェラーリの親会社であったフィアット・クライスラーを率いるマルキオンネはイタリアのマラネロに本拠を構えるフェラーリの大改革を断行。前会長のルカ・ディ・モンテゼモーロの更迭を始め、チーム代表や主だった上位技術者の刷新を行った。

その結果が早速現れたのか、ヘレスで行われた最初のテストですでにフェラーリの2015年型車は昨年以上の競争力を発揮してみせていた。先週スペインのバルセロナで行われた今年2回目のF1公式シーズン前テストに顔を見せたマルキオンネは、イタリアの記者たちに次のように語った。

■ここまではうまくいっているとフェラーリの新会長

「今我々が目にしているものは、明確な目標と、それを達成するための手段をチームが手にしたことの結果だよ」

「もう少し時間もかかるだろうし、最初のレースでもまだ我々のクルマの本当の実力を判断するのは難しいだろう」

「もう一度レース(F1スペインGP/5月10日決勝)のためにここ(バルセロナ)に戻ってくるころまで待たなくてはならないかもしれないね」

2014年シーズン序盤に、モンテゼモーロによってF1はおろか、モータースポーツに携わった経験をまったく持たない市販車販売部門責任者だったマルコ・マティアッチが突然名門F1チームのチーム代表に抜てきされていた。だが、そのマティアッチも昨シーズン終了後に更迭。その後、マールボロの広告担当責任者としてF1とも深くかかわっていたマウリツィオ・アリバベーネがフェラーリの新代表に迎えられた。

■新チーム代表もうまく機能

そのアリバベーネの評判も、最近うなぎ上りだ。バルセロナの記者会見ではサービス精神も旺盛で、記者たちもその会見を十分に楽しんだと伝えられている。

「そうなんだ」とマルキオンネは続けた。

「我々にとって何年か不運な時期が続いていたこともあり、信頼と落ち着きを持った関係を再構築しなければならないからね」

「我々はそれを実現するために必要なものを手にしているし、謙虚な姿勢でそれに取り組んでいる。我々には思い上がる理由など何もないからね」

そう語ったマルキオンネだが、すでにセバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンがステアリングを握った2015年型車SF15-Tは、かなり有望なクルマであるとみなされている。

「エンジニアたちの期待通りの結果が出ていると思う」とうなずいたマルキオンネは、次のように付け加えた。

「だが、実際にレースが始まるまで待ってみないとね」

だが、そのマルキオンネも、“アイスマン”のニックネームを持つライコネンの表情がこれまでになく明るくなっているのは「大きな前進」だと認めている。

■エンジン開発凍結の“緩和”を勝ち取ったのが重要な成果

マルキオンネはさらに次のように続けた。

「我々のルールの解釈によって、F1委員会がシーズンを通じて開発トークン(開発引換券のようなもの)を使うことを認めたのが大きかったと思う」

「あれは本当に重要な成果だった」

だが、フェラーリにとってさらに重要なことは、2014年の悲惨とも言える結果から立ち直り、将来に向かってチームがひとつになることだろう。

「チームはうまくいっている」

マルキオンネはそう語ると、次のように締めくくった。

「我々は自分たちの状況を理解できている。だから、これからはライバルたちの状態をつかむことが必要だね」

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