旧マルシャから生まれ変わったマノーが19日(木)、精算人の管理下から事業再生に向けて歩を進めた。
この日は、CVA(Company Voluntary Arrangement:会社任意整理)を行う方向で債権者と合意に達したとする声明を同チームの精算人が発表する運びとなっていた。
そしてイギリス時間で午後3時、声明がマスコミに流された。
清算人のジェフ・ロウリーは語る。「新たな投資と信頼の置ける経営陣が継続して運営にあたることによって、ビジネスに理想的なプラットフォームが構築される。これを土台に、すでに着手したリストラを加速させ、やがてはレース現場に復帰するのだ」
2015年F1開幕戦オーストラリアGPまで、マノーに残された時間は少ない。
初戦から三つのレースを欠場してもチームは存続可能と思われるが、一部の報道では、いずれにしろ三週間後のオーストラリアGPに姿を見せ、車両検査を通さなければならないという。
メルボルンでマノーが2014年型車を走らせる考えは、現時点でフォース・インディアの阻止に遭っている。そのため、イギリス・ディニントンの基地では少人数のスタッフが2015年規則に合致したマシンを用意し、FIA(国際自動車連盟)によって義務付けられた耐衝撃テストを受け、合格印をもらう手はずだ。
もっかチームを資金的に支えているのは英大手スーパーチェーン、セインズベリーの元CEOジャスティン・キングといわれている。ドイツでは、北アイルランドから、もうひとり重要な投資者が現れたと伝えられる。
それにF1記者のラルフ・バッハは、旧マルシャ復活にはマクラーレンが裏で一役買っていそうだとしている。
バッハは自身のブログ『f1-insider』で、ロン・デニスが事実上のマクラーレン”Bチーム”を作りたがっていると指摘する。ちょうどフェラーリが2016年参戦予定の新チーム、ハースと共闘体制を組む感じだ。
またバッハは、マノーがマクラーレンの風洞をチーム指定の施設にすると予想。さらにデニスは、マノーにエンジンを提供するよう「ホンダを説得中」といわれる。