先週のF1ヘレス合同テストで実力の一端を見せたメルセデスAMGの新車W06。設計者のアルド・コスタによると、チームは特に三味線を弾くそぶりを見せなかったという。
V6ターボ新時代元年の昨シーズンは、文字通り彼らの独壇場だった。そして、今年も引き続きタイトル争いを優位に展開するものと思われる。
もっとも、四日間のヘレス合同テストで話題をさらったのはフェラーリだ。彼らのパワーユニットはこの冬、新たに40から80馬力を稼いだとのうわさだ。
イタリア『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』紙のインタビューに応じたコスタは、新車の外観が2014年型にとても似ていると指摘されると、次のように返答した。
「確かにマシンは進化型だ」「だが実は、多くのパーツが大幅に異なる。外から見えないだけだ」
ヘレスの走行に関してチームは、「すべての面でポジティブ」にとらえたという。もちろん、もっと信頼性を突き詰める必要はある。
「2014年からの進歩は、およそ予想したとおりのものだった」とコスタ。
「ヘレスへは、性能を突き詰めに行ったのではない。むしろ、信頼性やマシンの挙動を確かめたかったのだ」
すると、皆がいうようにヘレスでは肩慣らしていどの走行だったのか。2015年型車のもつポテンシャルがどれほど表に現れたのか質問されると、コスタはこう答えた。「ほんのわずかだ」
「しかし、他のチームも同じだと思う」
「本当のところが明らかになるのは、開幕戦メルボルン(3/13-15)だ。あるいは、四戦か五戦を経てからかもしれない」
2015年型エンジンでメルセデスは、開発凍結が解除になった「トークン」をどれぐらい使ったのだろう。コスタはそのヒントさえ与えなかったが、替わりにこんな情報を明かしてくれた。「2015年用に新たなパワーユニットを使用している。前年のタイプとは違うものだ」
そして気になるのは、彼らが圧倒的な実力差を2015年もキープできるかどうかである。コスタは次のように述べた。「われわれの目標は、昨年に比べてかなり高いところに設定した」