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下落を続けるF1のテレビ視聴率にエクレストンは

2015年02月12日(木)11:07 am

バーニー・エクレストンの仕事に不可欠なものが二つある。テレビ視聴率と大手自動車メーカーだ。

ところがF1は昨年、少なくとも2,500万人の視聴者を失った。それでもエクレストンに不安はないという。なぜなら「過去三年、FOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)はいくつかの市場で有料チャンネルに力を注いできた。数字はその表れ」だからだ。

端的な例がイギリスだ。現在、無料でF1を見られるのは『BBC』がオンエアする数戦のみだ。全戦の生中継は有料チャンネルの『Sky(スカイ)』だけが権利を握っている。

こうしたビジネスモデルは、他の重要な市場でも展開されている。「有料チャンネルを抱える放送局網は、スポーツイベントの放送権を得るため大金を支払う。視聴者獲得の目玉になるからだ。そうした背景がF1の底上げにつながっている」と『Forbes(フォーブス)』誌のF1経済記者クリスチャン・シルトは分析する。

その一方でエクレストンは、F1グリッドを大々的に変えようと思案中だといわれる。現在は、メルセデスAMGがトップを独走中だ。

『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』と『TZ Munchen(TZミュンヘン)』のラルフ・バッハ記者は、エクレストンが描くF1の未来を推理。どうやら「カスタマー・カー」絡みらしい。

今週、明るみに出た話によると、コリン・コレスとフラビオ・ブリアトーレの協力を得てガックリと減ったF1グリッド数を伸ばす計画だ。レッドブルから2013年型車を調達し、仏メカクローム製V8エンジンを搭載。低コストで小チームに提供するというものである。

バッハは自身のブログ『f1-insider.com』で、次のように述べた。「この1月、エクレストンはオーストリアのザルツブルグでディートリッヒ・マテシッツと会談、特にカスタマー・カーの話に時間を割いた」

バッハによると、F1の先頭に立つメルセデスAMGのような大チームがいい顔をしなくとも、エクレストンは大して気にも留めない。その結果としてメルセデスAMGがF1から撤退しようともだ。

さらにエクレストンは、フォルクスワーゲンがF1に近寄らないのも歓迎だ。同社のフェルディナンド・ピエヒは、エクレストンのF1統治をこころよく思っていない。

イタリアでF1評論といえばこの人、レオ・トゥリー二。彼は今週、エクレストンの友人で仕事でも彼を支えるフラビオ・ブリアトーレは、エクレストンの計画に賛成だと述べた。

「悲劇的なミスといえば、あのようなタイプ(V6ターボ)のエンジンを選択したことだ」とブリアトーレ。

「エグゾースト・ノイズについても、あれではF1の興奮が薄れてしまう。一般人が見向きもしないテクノロジーに走った結果だ。おまけにパワーユニットは高価ときている。語るに落ちる話だ」

「私の主張は変わらない。F1はドライバーの選手権であるべきだ。コンストラクターはどうでもいい」

「ワンメイクの選手権を支持するわけではない。だが、メルセデスAMGのようなチームに大きなアドバンテージを与える技術を導入したばかりに、F1に対する世間の関心が薄れてもしかたない」

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