2014年F1世界選手権2位のレッドブルが、新たなシーズン開幕を前に問題を露呈している。
昨年の選手権で、メルセデスAMGのドライバー二人(ニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトン)以外に、表彰台の頂上に上ったのはダニエル・リカルド(レッドブル)だけだ。
だが先週スペイン・ヘレスで2015年シーズン前初の合同テストが行われたところ、四日間に全選手が記録した最速タイムを並べると、リカルドのものは12番手に過ぎなかった。
新チームメートのダニール・クビアトはもっと悪く、彼の下には、まだマシンがよちよち歩きのマクラーレン・ホンダの2台しかない。
ヘレスでは、マシンの信頼性不足も表面化した。マシン完成が間に合わず初日を欠場したロータスに周回数で抜かれてしまったのだ。
カムフラージュ色をまとった新車RB11に乗ったリカルドとクビアトは、四日間で二人合わせて166周。これに対して昨年のチャンピオンチーム、メルセデスAMGは何と516周を走りまくった。
ドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌上でウィリアムズの総技術責任者パット・シモンズは、メルセデスAMGが今もナンバーワンであることを認めたうえ、ウィリアムズとフェラーリが激しく2番手を争っていると語った。
そんなシモンズにとって謎なのは、レッドブルだ。
「あまりに走行距離が少なすぎて、判断材料に迷うよ」とシモンズ。
「われわれ(ウィリアムズ)の位置に文句はない」とシモンズは語る。「他チームの動きを指図するわけにはいかないが、メルセデスAMGは、まるでハンドブレーキを手にかけながら走っているように見えたね」
「それにフェラーリもいい具合に進化してきた」というシモンズだった。