ウィリアムズのバルテリ・ボッタスが、2016年に同郷のキミ・ライコネンに代わってフェラーリのシートに座るチャンスがあるのではないかと言われていることに対し、その可能性を明確に否定することはなかった。
2014年シーズンは不振にあえいだものの、今年までフェラーリとの契約があるライコネンは、新たに加わったセバスチャン・ベッテルとともに今季もフェラーリで走ることになる。そして、その契約には2016年の延長オプションも含まれているとされている。
2016年もフェラーリで走ることになりそうかと尋ねられたライコネンは、「それは僕とチームが今年いい仕事をすることができるかどうかにかかっているだろうね」と答え、次のように付け加えた。
「もしうまくいかなくて、契約を結ぶ気にならなければ、そのときはサインはしないよ」
同じフィンランド出身のボッタスに関しては、メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフがそのマネジメントにも関与していることが知られている。そのボッタスは、昨年からメルセデスエンジンに移行したウィリアムズで2014年に大活躍を見せ、一躍ドライバー市場における注目株として台頭してきている。
ウィリアムズも、2010年からテストドライバーとしてチームの一員となったボッタスを引き留めておきたいと強く考えている。チーフテクニカルオフィサーのパット・シモンズに言わせれば、ボッタスは過去の偉大なF1チャンピオンたちと並び称されるようなドライバーに成長する可能性を秘めた逸材だという。
シモンズは、これまでアイルトン・セナやミハエル・シューマッハ、そしてフェルナンド・アロンソといった一流ドライバーたちと一緒に仕事をしてきた経験を持っており、ボッタスも彼らと同じようにF1チャンピオンとなる器を持ったドライバーだと評価しているのだ。
「彼がそういうふうに言ってくれるとすごく勇気づけられるよ」とボッタスもまんざらではない。
しかし、最終的にはウィリアムズがボッタスを引き留めておくのは難しいのではないかとの見方も強いようだ。2014年には名門チームとしての輝きを取り戻したかに見えるウィリアムズだが、その台所事情からすれば、大規模F1チームに所属するトップドライバーたちが受け取っているような巨額の報酬をドライバーに支払う余裕はないからだ。
2014年に目覚ましい活躍を見せた25歳のボッタスにはフェラーリも目を付けていると言われている。だが、自らボッタスのマネジメントにも携わるメルセデスAMGのヴォルフも、仮にルイス・ハミルトンとの2016年以降の契約が不調に終わるようなことがあれば、ボッタスもその後任ドライバーの有力な候補者の1人であると発言している。
そんな中、フェラーリが興味を示しているようだがとF1公式サイトに尋ねられたボッタスは次のように答えている。
「僕は、キミがどういう契約を結んでいるのか何も知らないんだ」
「僕に分かっているのは、自分が最速のクルマに乗りたいと思っているということだけさ。僕にはそれしか言えないよ」