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マノー(マルシャ)復活に関するさまざまなうわさ

2015年02月05日(木)18:20 pm

2014年までマルシャという登録名でF1参戦をしていた「マノー」の今後に関するうわさが渦を巻いている。

ジョン・ブース(マルシャの前チーム代表)が設立し、ヴァージン、そしてマルシャとして2010年からF1参戦を続けていた「マノー」だが、昨年経営破たんに陥り管財人による清算手続きが進められていた。だが今週の4日(水)に、2月19日(木)にマノーの管財手続きが終了され、2015年にもF1参戦を目指す計画が進められていることが明らかとなった。

今回、マノーへの出資を検討しているのはかつてイギリスの大手スーパーマーケットであるセインズベリーの経営責任者を務めていたジャスティン・キングだとされているが、現在報じられているところによれば、5日(木)には早速最初の障害に直面することになりそうだという。

■ほかのチームの了解を得ることは困難か

5日にパリでF1有力チームによって構成されるストラテジー・グループの会合が催されることになっている。マノーが2015年に2014年型マシンでエントリーすることが認められるためには、この会合で全員一致の賛同を得ることが必要とされているが、どうやらこれは難しいだろうと見られている。

レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、ドイツの『f1-insider.com』に対し、「我々がそれに同意するとは想像もできないよ」と語っている。

さらに、財政的に困難な状況に置かれているとされるフォース・インディアやザウバーなども、恐らくは反対に回るだろうと見られている。マノーは昨年のコンストラクターランキングで9位となっており、もし2015年に参戦できればその多額の賞金を受け取る権利が発生すると言われている。だが、ほかの小規模チームでは、マノーがその賞金を受け取ることができなければ、それが自分たちの利益として還元されることを期待しているようだとうわさされている。

■スタッフやドライバーの問題も

こうした状況にもかかわらず、マノーでは復帰に向けた準備を進めているようだ。『Blick(ブリック)』のベテラン記者であるロジャー・ブノワは、今年最初のF1公式テストが行われたヘレスから、元マルシャの従業員たちがイギリスのディニントンに招集されたと報じている。

ディニントンには、マノーのF3チームの本部が置かれている。バンベリーにあったマルシャの本部施設はすでに2016年からF1に参戦するアメリカのジーン・ハースの手に渡っており、新生マノーではこのディニントンに新たな本拠を構えることになるようだ。

だが、メルボルンで行われる開幕戦オーストラリアGP(3月15日決勝)に向け、マノーが十分なスタッフ体制を整えられるかどうかは不明だ。昨年経営破たんに陥ったマルシャやケータハムからは、すでに多くの人材がほかのチームへ流出しているからだ。

ウィリアムズの内部関係者も、「我々もケータハムやマルシャから大勢を引き受けたよ」と語ったとされている。

さらに、ドライバーの問題もある。マルシャを2014年のランキング9位に押し上げた貴重なポイントを獲得したジュール・ビアンキは、昨年の日本GPでのクラッシュ以来、まだ意識も戻らない状態だ。そしてもう1人のドライバーであったマックス・チルトンも、今後はアメリカのインディカーへの参戦を目指すことが明らかとなっている。

『Telegraph(テレグラフ)』のダニエル・ジョンソン記者は、チルトンのマネジメントがマノーへ持ち込むべき1,200万ドル(約14億円)のスポンサーマネーの支払いが遅れたことにより、「両者の関係が悪化した」と書いている。

■マクラーレンのBチーム化といううわさも

そうした中で出てきた最新のうわさは、マクラーレンがマノーとの関係強化に動くのではないかというものだ。マクラーレンではマノーを「Bチーム」としてホンダエンジンを搭載させるとともに、フェルナンド・アロンソの加入によって今季は控えに回ることになったケビン・マグヌッセンをドライバーとして据えることを考えているようだというものだ。

マクラーレンの関係者は、こうしたうわさを即座に否定したとされるが、『Telegraph(テレグラフ)』のジョンソン記者も、マノーが復活できるかどうかは、マクラーレンにとって最大のライバルのひとつであるフェラーリがカギを握ることになるだろうと主張している。

これまでフェラーリからエンジンの供給を受けていたマノーでは、フェラーリに対し巨額の未払い金が残っているとされており、フェラーリでもそれを無駄にしたくはないとの思いがあるはずだというのがその根拠だ。

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