数々の問題に悩まされたが、チームは今日、数多くのロングランを行い、短縮版の空力テスト・プログラムを行うことができた。
インストレーション(マシン確認)・ラップ終了後、潤滑油のレベルに小問題が発生。解消に一時間ほどを費やした。午後には、当初、燃料ポンプが原因と思われたトラブルに見舞われ、早めに走行を切り上げた。後にそれは、燃料に関係する点火の不具合と分かった。根本の原因はまだつかみきれていない。従って完全な分析を行うため、この日の走りを終えたのだ。
初日に想定した走行距離をクリアできなかったが、それでも有効なデータを多く得てヘレスに別れを告げる。MP4-30が期待通りのパフォーマンスを見せたことに満足している。
チームの動きについては、マクラーレンとホンダのクルーによるサーキットでの共同作業がスムーズになった。この調子で、今月19日から22日にバルセロナのカタルーニャ・サーキットで行われる次回テストに臨む。
新井康久(本田技術研究所専務執行役員/F1プロジェクトリーダー)の話:「四日間の走行を振り返ってみると、ヘレスに搬入したマシンがコースを走っている姿を見て、よかったという思いと安ど感が交錯しました。ニューマシンと新しいパワーユニットの組み合わせは、栃木県さくらと英ウォーキングにいる全スタッフの努力の賜物です。皆の頑張りが誇らしいです」
「もちろん、数々の問題は予想されていました。それがテストというものです。ですが、予想した以上の困難に襲われました。そのため、思ったように走行時間を確保できませんでした。それにしては、(フェルナンド)アロンソと(ジェンソン)バトンのフィードバックは前向きで、多岐にわたるものでした。二人のドライバーから有用な情報を多く得られました」
「チーム全体がとても明るい雰囲気に包まれています。次回はバルセロナです。何箇所か改良して、残り二回のテストはもっと力を発揮するつもりです」
「ホンダが古巣のF1に戻ってきたぞ。私はいま、そんな思いでいっぱいです」