エンジンを1,000馬力以上にするより、さらに重要な問題がF1にはあるだろう。これは、ある元F1エンジニアの発言だ。
イタリアの自動車専門誌『Autosprint(オートスプリント)』によると、F1の権利者たちは来週、再びミーティングを開いて、現行のV6ターボにもっと大きなエンジン音と出力を与えられないか話しあうという。
意見は各所から聞こえてくる。
たとえばレッドブルのチーム代表、クリスチャン・ホーナーだ。「われわれは進化し、前進する必要がある」
「マシンの凄みを増し、運転を難しくすべきだ。ドライバーの才能を浮き彫りにするのだ」
これに対し、まずは差し迫った問題に取り組むべきとする意見もある。2009年までトヨタ、BMW、フェラーリといったF1チームを渡り歩いたフィンランド人エンジニアのオッシ・オイカリネンが、そう考える一人だ。
後方を走っていたマルシャとケータハムはチームがつぶれた。グリッド中団のフォース・インディア、ザウバー、ロータスも経済的に苦しいといわれる。
「上がる一方の支出を抑えるのは簡単ではない」とフィンランド『Iltalehti(イルタレティ)』紙に語るオイカリネン。「だが、それをしないとザウバーのような独立系チームは生き残れない」
「私は、その問題を最初に解消すべきと思う。どうやってエンジン出力を上げるか考える前にね」
オイカリネンは現在、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)で仕事をしている。DTMは、「とても見応えのあるシリーズだが、F1に比べると財布にやさしい」