『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』のラルフ・バッハ記者が、ロータスのドライバーであるパストール・マルドナードがこの先ドライバーシートを確保したままでいられるかどうか不透明な状況となってきたと報じている。
それはマルドナードがロータスに持ち込んでいるスポンサーのPDVSA(ベネズエラ国営石油会社)が、原油価格の劇的な下落により厳しい状況に陥っているためだという。
すでに2015年シーズンに向け、いくつかのスポンサーがウィリアムズに取られるなど、財政的には厳しい状況に置かれていることが間違いないロータスだが、ここで大口スポンサーのPDVSAからの出資が滞るようなことになれば致命的な状況を迎えることになりかねない。
そうなれば、チームとしても資金持ち込みが可能なドライバーにシートを転売するようなことも考えざるを得ない状況となることも考えられる。
だが、この話にはもっと複雑な背景がありそうだ。バッハは次のように続けている。
「バーニー・エクレストン(F1最高責任者)は、どうやらロータスの買い手を探しているようだ。なぜなら、彼は不満を抱えているジェラルド・ロペス(ロータスのオーナー兼代表)を追い出したいと考えているからだ」
ケータハムとマルシャが経営破たんに陥ったことをきっかけに、現在のF1の収益分配や意思決定のシステムに不満を持つロペスは、同じような境遇にあるザウバーやフォース・インディアとともにF1の主要株主であるCVCやエクレストンに対して改善を求め、聞き入れられない場合はレースのボイコットも辞さないとの姿勢を示すなどしていたという経緯がある。
バッハは、次のように付け加えた。
「彼(エクレストン)はしばらくの間それに取り組んできているが、ここまでのところ誰も見つけることができていない」