2015年にはマクラーレン・ホンダのドライバーとなるフェルナンド・アロンソだが、フェラーリを去るという決断はすでに1年以上も前に行っていたという。
これを明らかにしたのは、長年にわたってアロンソのF1キャリアをマネジャーとして支えてきたフラビオ・ブリアトーレだ。
■フェラーリの言い訳に飽き飽きしていたアロンソ
かつてルノーF1のチーム代表を務めていたこともあるブリアトーレは、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に対し、アロンソは基本的に2013年シーズン中にフェラーリを去るという決心を固めていたと次のように語った。
「モンテゼモーロ(前フェラーリ会長であるルカ・ディ・モンテゼモーロ)との間に紳士協定があったんだ。もし(2014年の)クルマがよくなければ、アディオス(スペイン語でさようなら)だとね」
「フェルナンドはもう“次のは勝てるクルマになるよ”という言い訳が繰り返されることに飽き飽きしていたんだ」
『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』はさらに、アロンソとブリアトーレは、2013年まで使用されていた自然吸気V8エンジンから2014年シーズン以降はV6ターボエンジンに移行することに関し、フェラーリに対して拒否権を使うよう求めていたことも示唆している。
「2013年に抱えていた問題は明らかに空力的なものだった。エンジンに関しては、戦えるだけのものがあったんだ」
そう語ったブリアトーレは、次のように続けた。
「つまり、このエンジン変更は“向こう見ずな行為”だったわけだ」
■アロンソが魅力を感じたのはホンダの姿勢
「それに、彼(アロンソ)は、技術スタッフを獲得しようとする努力も不十分だと感じていたよ。フェラーリはナンバー25なんかじゃなく、ナンバー1を目指すべきチームだからね!」
2015年に再び手を組むこととなったマクラーレンだが、かつて2007年には非常に険悪な関係となって決別したという経緯があった。だが、ブリアトーレはこのことに関しては「時がすべてをいやすものさ」と語っている。
また、昨年にはアロンソとメルセデスAMGとの間で交渉が行われたとうわさされていたが、これに関してもブリアトーレは「真剣な交渉などではなかった」と主張した。
ブリアトーレはさらに、アロンソはホンダがマクラーレンとのプロジェクトにつぎ込むと確約した人材や資源に魅力を感じたことを示唆するとともに、アロンソが2015年のチームメートとしてジェンソン・バトンの残留を求めたとのうわさに関してはこれを否定し、次のように続けている。
「それはスポンサーシップもからんだ内部的な問題だったんだ。でも、我々はよろこんでいるよ。彼(バトン)はいいやつだし、賢くて、頭の回転もいいからね。彼はすでに私のチーム(ルノー)でフェルナンドと一緒に働いたこともあるんだ」