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2016年にはF1に自然吸気エンジン復活?

2014年12月16日(火)6:44 am

圧倒的なエンジンパワーによるアドバンテージを生かし、2014年シーズンをほぼ完全支配したメルセデスAMGだが、同チームの非常勤会長であるニキ・ラウダが、今後F1のエンジンルールがどういう方向へ向かうことになるのかは分からないと認めた。

F1最高責任者であるバーニー・エクレストンは先週、18日(木)に予定されているF1の意思決定機関であるストラテジー・グループの会議において、F1が現在使用しているV6ターボ・パワーユニットを撤廃するよう提案をするつもりだと語った。

■エンジンルール改正に自信を示すエクレストン

エクレストンは、再び、大音響を発生し、1000馬力ものパワーを持つ自然吸気V8、あるいはV10エンジンを復活させることを望んでおり、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)がそれに賛成しようが反対しようが、そんなことは関係ないと主張している。

エクレストンは、F1ビジネス記者として知られるクリスチャン・シルトを通じて『Forbes(フォーブス)』に次のように語った。

「いいかい、我々は6票持っているんだ。だから、あと4チームがそうしたいと望めばそれで10票になる。全部で18票だから、そうなれば我々のほうが多数ということだ」

新V6ターボのレギュレーションにいち早く対応準備していたメルセデスAMGは今季圧倒的な力を見せつけた。だが、もし今後このF1エンジンルールがまた大きく変わるようなことになれば、自分たちはF1から撤退することになるだろうとの警告を行っている。

だが、エクレストンはこれに関しても次のように述べている。

「いずれにしろ、彼ら(メルセデスAMG)は、そのほうが都合がよければいつだってそう(撤退)するだろう。これまでにもメーカーが撤退したことはあったからね。だが、私は彼らが本当にそんなことをすれば驚くだろうがね」

■現在のルールにも問題があるのは事実だとドイツ誌

一方、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、ルノーやフェラーリといったエンジンメーカーがこれほどまでに低迷したことを考えれば、現在のエンジンレギュレーションは間違いなく非常に複雑なものであることが推量できると指摘している。

さらに、現在のエンジン開発「凍結」ルールにより、いったん後れをとったメーカーが素早く劣勢をばん回できるチャンスは限られている。そして、この「凍結」ルールがさらに厳格なものとなっていくことで、ポルシェやアウディといった自動車メーカーがF1に新たに参入することを難しくしているのも確かだろう。

さらに、小規模チームたちは、この高価な新技術が導入されたことで、さらなるコスト増加に苦しめられる事態となっている。

ある内部関係者は、FIAはエンジンメーカーからチームへ供給されるカスタマーエンジンの価格を固定額とするようなこともできないと指摘し、次のように語っている。

「それは市場への介入ということになるだろう。もしひとつのメーカーが合意しないだけでも、FIAは法的な問題を抱えてしまうことになる」

エクレストンは次のように続けた。

「問題は、このエンジンが考え出されたときに、誰もその副作用にまで考えが及ばなかったということだ」

ラウダは、今週の18日(木)に行われる会議がどのように進展することになるのか、そして2016年以降のエンジンルールがどういうものになるのかは見当がつかないと次のように語った。

「来年は、エンジンのレギュレーションは今と同じものが適用される。2016年に関しては、私には何の保証もできないよ」

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