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マクラーレン、ドライバー決定遅延の原因はバトンとの交渉難航だった

2014年12月12日(金)18:39 pm

11日(木)に、マクラーレンがついに2015年のドライバーラインアップを発表。1人はうわさされていた通りフェラーリを離脱したフェルナンド・アロンソだったが、もう1人は現役F1ドライバーの中では最も経験豊かなジェンソン・バトンのほうだった。

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しかし、最近のうわさでは、マクラーレンでは2014年にF1デビューを飾ったケビン・マグヌッセンのほうをアロンソのチームメートに据える可能性が高いと言われており、15年のF1経験を持つ現在34歳のバトンは、2014年限りでF1ドライバーとしてのキャリアを終えるのではないかと考えていた者も多かった。

■「戻ってくる」とマグヌッセン

広く報道されていることによれば、デニスは若いマグヌッセンのほうを推していたものの、最終的にマクラーレンの主要株主であるマンスール・オジェらによってそれを否決されたのだと考えられている。

今回、デビューわずか1年でF1シートを失い、再びテスト兼控えドライバーに逆戻りすることとなった22歳のマグヌッセンは、ツイッターに映画「ターミネーター」の写真を投稿し「説明の必要はないよね」と付け加えている。もちろん、これはターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)の決め台詞である「I’ll be back(戻ってくるぞ)」を意味するものであることは間違いない。

そのマグヌッセンは、11日(木)にウォーキングにあるマクラーレン本部で次のように語った。

「でも、僕はまだ素晴らしいチームとともにいるし、F1での大きなチャンスがあるよ」

■トップチーム3台エントリーの可能性も影響

だが、F1にはつきものと言えばそれまでだが、今回アロンソのチームメート決定が批判を受けるほどに長引いた背景には、隠された事情があったようだ。

デニスは、マグヌッセンを来季のドライバーラインアップからはずすという決断は「痛みを伴う」ものだったと認めている。だが、デニスは、マクラーレンのドライバー決定が遅れた背景のひとつには、短期間のうちに3台目のクルマをエントリーさせる必要が生じることを想定しトップドライバーを確保しておく必要があったのだと示唆し、次のように説明した。

「我々には(そうしなくてはならないという)契約があるんだ。もし3台のクルマを走らせることが必要となれば、私はそこに最高のドライバーたちを乗せたいからね」

だが、ドライバー決定が遅れた一番の理由は、デニスとバトンとの交渉がうまく進展しなかったことによるものだったようだ。2009年のF1チャンピオンであるバトンは、2014年シーズンにはマグヌッセンの2倍以上のポイントを稼ぎ出していた。

11日(木)に明らかとなったことによれば、バトンは最終的に600万ドル(約7億1,300万円)以上の報酬減額という条件を受け入れざるを得なかったという。それでも約1,200万ドル(約14億3,000万円)の報酬を手にするバトンだが、その額は約5,000万ドル(約59億5,000万円)とされる途方もないアロンソの報酬に比べると大きく見劣りのするものとなっている。

結局のところ、ドライバーラインアップ発表の遅れに対して世界からのプレッシャーが増す中、マクラーレンとしてもバトンとの交渉にこれ以上時間をかけることはできないと今週初旬に判断したようだ。

■最終的にバトンと2年契約で決着

「彼(デニス)が僕に選択肢を示したんだ」と明かしたバトンは、「僕はイエスと言ったよ」と続けた。

デニスも、バトンがそれまでの交渉において障害となっていた件に対する「解決案」に合意した後は、そのほかの話し合いに関しては「非常にスムーズ」に進んだと認めている。

だが、デニスは、それまではバトンが今後チームに対してどれほど献身してくれるかということに不安も抱えており、最低でも2年間の契約を求める必要があったとも認めている。

「彼(バトン)は、私に対して、これ(マクラーレン残留)が彼にとって本当に重要なことだと信じさせるようなことを何も言っていなかったんだ」

「彼が2年契約にイエスと言ったことが、私を納得させた材料のひとつだった」

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