近い将来、パスカル・ヴェアラインの名前がF1サーキットでもよく聞かれることになるかもしれない。
今年9月、メルセデスAMGは20歳のドイツ人ドライバーであるヴェアラインと新たに控えドライバー契約を結んでいた。
それ以来、ヴェアラインはブラックリーにあるメルセデスAMGの本部で定期的にF1シミュレーター作業に取り組んでいた。そして、今季のF1最終戦アブダビGPの翌週に行われたF1公式テスト2日目を担当すると、今季圧倒的な強さを見せたメルセデスAMGのW05を駆って2日間のテストを通じての最速タイムを刻んでみせている。
今季、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)にメルセデスのトップチームであるHWAからエントリーしたヴェアラインは、ラウジッツリンクで開催された第8戦において、当時19歳で初優勝。DTMの最年少優勝記録を塗り替えるという活躍を見せた。
2014年のDTMをランキング8位で終えたヴェアラインは、2015年にはF1へのステップアップを目指している。
メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、オーストリアの『Sportwoche(シュポルトヴォッヘ)』に次のように語った。
「もちろん、F1において、満足のいくクルマで走行経験を積むことができるチャンスはそれほど多くはない」
そのヴォルフは、2015年にヴェアラインをF1の下位カテゴリーであるGP2に参戦させることに関してはそれほど真剣に検討してはいないと伝えられている。だが、その代わりに「(F1で)控え、あるいはテストドライバーとなるか、もしくは小規模なチームで金曜(フリー走行)に走らせる」ことを考えているという。
この場合の「小規模チーム」とは、2015年にメルセデスからエンジンの供給を受けるフォース・インディア、ウィリアムズ、そしてロータスということになるだろう。
ヴェアライン自身は、F1で次のステップに向かう心構えはできていると次のように語った。
「マグヌッセン(ケビン・マグヌッセン/マクラーレン)やクビアト(ダニール・クビアト/トロロッソ)といったドライバーがF1に昇格してすぐに速さを示したことが僕にとっても有利になると思う」
「僕たちの世代はそういうことができると思っているし、若いドライバーを起用するという流れが続いてくれることを期待しているよ」