2015年のF1カレンダーに韓国GPが復活したことに驚いた者も多い。だが、驚いたのは2010年から2013年まで韓国GPを主催していた韓国インターナショナル・サーキットも同じだったようだ。
ヨンアム(霊岩)にあるサーキット自体はドライバーたちからおおむね好評であるものの、立地的には都市部から離れていることに加え周辺に十分な宿泊施設もないことなどが災いし、過去4回の開催は順調だったとは言えない。主催者は財政難に陥り、F1最高責任者のバーニー・エクレストンも「あそこへ戻りたいとは思わない」と語っていた。
だが、その韓国GPが、3日(水)に行われたFIA(国際自動車連盟)の世界モータースポーツ評議会において承認され、暫定を意味するマークを伴いながらも2015年のF1カレンダーに復帰している。
ところが、韓国インターナショナル・サーキットのF1主催者はフランスの『AFP通信』に対し4日(木)に次のように語っている。
「我々のところには事前連絡などは来ていなかった」
「FIAはそれ(韓国GP開催)を発表したが、我々としてはすでに来年F1レースを開催するのは難しい立場にあることを伝えていた」
ある匿名の関係者は、主催者側は実質的に「無一文」だと語るとともに、「赤字を抱えていることで、地域の多くの者たちが否定的な意見を持っている」ことから、レース開催が実現するとは思えないと次のように付け加えた。
「財政的負担を軽減するために契約内容を見直すための交渉が行われてきたが、ここまでのところそれはうまくいっていなかった」
『AFP通信』は、来年の5月3日(日)に第5戦としてF1カレンダーに組み込まれた韓国GPは、これまでF1を開催してきていた韓国インターナショナル・サーキットではなく、首都ソウルの市街地コースで開催される可能性があると付け加えている。